GLTD(団体長期障害所得補償保険)
GLTD(団体長期障害所得補償保険)とは?
「GLTD」とは、従業員が長期にわたり仕事ができなくなった場合に、給与の一部を補償する企業向けの保険です。「Group Long Term Disability Insurance」(団体長期障害所得補償保険)の頭文字を取り、GLTD保険と呼ばれています。企業がこの保険を導入することで、従業員が病気やケガで休むことになったとしても、収入ダウンが長期にわたりカバーされ、療養に専念することができます。福利厚生の一環として、社内外に「安心して働ける職場環境」を打ち出すことができます。
2人に1人ががんになる時代
企業ができる備えとは?
男性65.5%、女性51.2%。これは、国立がん研究センターによる統計で、一生のうちにがんと診断される確率。2人に1人が一生のうちにがんと診断される時代と言えます。昨今は精神疾患で休職する人も増えており、一生のうち5人に1人はこころの病気にかかると言われています。
それほどポピュラーな疾患と言える、がんやうつ病。実際、これらの疾患にかかると、どれくらいの療養期間が必要なのでしょうか。病気の程度によっても異なりますが、1ヶ月程度の人もいれば、1年以上休む人も。後遺症が残った場合は、復帰しても以前と同じようには働けなくなることもあります。うつ病などの精神疾患の場合、1回目の休職期間平均は約3.5ヶ月ですが、復職後に再度休職が必要になることもあり、2回目の休職期間平均は約5ヶ月。無理をして早く復帰すると、かえって寛解が長引いてしまうこともあるのです。
療養が長期にわたると、収入ダウンがじわじわと家計に響いてきます。働いていない分、ボーナスも支給されません。けがや病気で会社を休むことになったとき、健康保険や医療保険、また傷病手当金などで一定の補償を受けることができますが、多くても月収の6割程度。しかしGLTDに入っていれば、そこからさらに補償されることになります。
GLTDの特長は、働けなくなった原因となるものが国内・海外、業務内・業務外を問わず補償されること。例えば傷病手当金であれば、業務外で生じた病気やけがであることが条件となっています。業務上に起因するものは労災保険が適用されるためです。その点、GLTDはカバー範囲が広いのが特長。またGLTDの場合、保険商品にもよりますが、免責期間(病気・けがが起きてから一定期間)を経れば、定年の65歳までなど長期間補償されます。
GLTDは、個人が加入する就労不能保険とは違い、企業が加入するものです。企業がGLTDを導入することで福利厚生の充実をはかることができ、いざという時に従業員の生活を守る姿勢を示すという意味で、企業のブランディングにもつながります。安心して働ける環境は、離職の防止にもつながるでしょう。GLTDは従業員だけでなく、企業にもメリットのある制度なのです。
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