キャリア・オーナーシップ
キャリア・オーナーシップとは?
「キャリア・オーナーシップ」とは、自分自身のキャリアにオーナーシップを持ち、主体的・能動的にキャリア開発をすることをいいます。終身雇用制度が終焉を迎え、人生100年時代ともいわれる現代。キャリアはもはや、企業が描いてくれるものではありません。不確実で変化の多い時代に対応するために、個人が自律的にキャリア形成を行う重要性が高まっています。企業も従業員がキャリア・オーナーシップを持てるよう、キャリアに向き合うための機会を提供することが大切です。
企業が本当に「従業員を守る」とは
どういうことだろう?
入社すれば定年まで安泰。異動も転勤もするけれど、定年後は退職金をもらって穏やかな老後を過ごす。かつては当たり前だった社会人人生ですが、時代の変化とともに過去のものへと風化しつつあります。従来のキャリア観は、会社が売上を上げて存続し続けることが前提となっていました。企業は従業員を解雇しないかわりに強い人事権を持ち、従業員は企業からの命令に従えばいいと考えがちでした。
しかし、現代は誰もが知る大企業でさえ倒産したり、買収されたりする時代です。また、コロナ禍は変化へ柔軟に対応できる企業とそうでない企業を浮き彫りにしました。予期せぬ環境の変化が起こる現代は、個人がキャリア・オーナーシップを持ち、社外を含めた幅広い選択肢を視野に入れたキャリア設計を行っていかなければなりません。企業はこれまで「雇い続ける」ことで従業員を守ってきましたが、現代において従業員を守るということは、「社会で活躍し続けられるようキャリア開発支援をする」ことへと変わってきているのです。
従業員のキャリア・オーナーシップを確立するために企業ができることには、社内外でのスキルアップ研修やライフプラン研修、社内インターンシップ制度、社内公募制度などがあります。また、副業を解禁し、社外へと視野を広げてもらうことも、個人がキャリアに向き合う契機になるでしょう。
一方で、「自律的なキャリア観を醸成すると従業員は退職してしまうのではないか」と考える人事担当者もいるかもしれません。しかし前述の通り、今や雇っているだけで従業員を守れる時代ではありません。会社を存続させるには、結果を出してもらわなければならないのです。その際にポイントとなるのが、従業員の主体性や目的意識です。
キャリア・オーナーシップを持ち、モチベーション高く働いている人材のほうが、企業へのエンゲージメントも生産性も高い。それならば、個人の成長と企業の成長がベクトルを合わせることにより、Win-Winの形で自己実現・企業成長が実現していくほうが理想的です。
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