自己申告制度
自己申告制度とは?
従業員自身に職務の目標、遂行状況、問題点などを自己評価させ、特技、専門知識、希望職種などを申告させる人事管理方法の一つ。従業員の自己啓発、モラルの向上を図り、的確な人事管理を進めることが目的です。
自民党でも「自己申告シート」導入
政治家が自分のことを客観視できる?
9月末、小泉改造内閣が決まる朝、日本経済新聞1面のコラム「春秋」に「良い人事とは皆が少しずつ不満に思う人事だよ」という言葉が紹介されていました。4半世紀前に自民党の派閥領袖に聞いたそうですが、「いかに謙虚な人でも自分の能力を多少は買いかぶっているから、という解説付きだった」と言います。
これは自己申告制度の問題点を言い当てた言葉でもあります。昔から自惚れと何とかのない男はいないと言われます。ロボットでない人間は、自分自身を完全に客観的に把握することはできません。営業、事務、技術など、どんな職場でも「あいつと比べれば、まだ俺のほうが能力は上だ」と誰しもが思っていますが、能力と考えるものの中には、人柄や容姿、つきあいの善し悪しなどが混在していることが多いものです。
要するに「あいつは気にくわない。あんなやつより俺のほうが」というわけですが、仕事上の能力だけを比べれば、上司は「あいつ」のほうを買っていたりするのです。上司もまた、部下の能力を冷静に判断するのは難しく、本人と評価者の判断のズレをいかに少なくするか、ズレをいかに埋めるかが、この制度のポイントになるようです。
自民党は党改革の一環で、閣僚経験のない議員全員に「自己申告シート」を提出させたと聞きます。将来の希望、就任したいポストを書き込み、これをもとに閣僚が副大臣・政務官を指名する試み。大方のサラリーマンよりはるかに自己顕示欲の強い議員諸氏が、どこまで自分を客観的に見据えられるか。閣僚のポストが今の10倍あっても足りないのではないでしょうか?
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