就労定着支援
就労定着支援とは?
「就労定着支援」とは、2018年4月の改正障害者総合支援法に基づき始まった、一般就労をしている障がい者が就労を続けられるよう、福祉サービスを提供する事業所が行うさまざまなサポートのことをいいます。従来、就職までをサポートする就労移行支援事業所や、障害者就業・生活支援センターなどが中心となり支援を進めてきましたが、就職した後の就労において困難が発生するケースも多く、定着が新たな課題となっていました。
障がい者雇用は着実に進展
次の課題は、就職した先の困りごと
近年、障がいがありながらも福祉サービスを利用して就職する人が増えてきました。一般企業への就職を目指す障がい者を対象に、就職に必要な知識やスキル向上のためのサポートを行う「就労移行支援」の利用者は年々増加し、2013年に27,702 人だった利用者は、2017年に33,780人にまで増えています。就労移行支援を行う事業所の数も、2013年の2,771ヵ所から2017年には3,421ヵ所にまで増加しています。
また、就労系障がい福祉サービスから一般就労へ移行した人数は2003年時点で1,288人でしたが、2017年には約11.5倍の14,845人にまで増加。障がい者雇用は着実に進展し、就労移行支援は障がいがある人にとって身近なサービスになってきたと言えるでしょう。
それに伴い、新たな課題も見えてきました。それは、就職した先の定着です。いざ就職してみると、さまざまな困りごとが出てくることがあります。例えば、本人と仕事の難易度が合わずに何度もミスをしてしまう、上司や同僚とコミュニケーションがとれない、体調管理がうまくできない、といったことが挙げられます。
「就労定着支援」では、事業所の担当者が定期的に障がいのある就労者と話し、どのような課題があるのかをヒアリングします。課題を把握した後に、勤務先や医療機関などと連携を図り、課題解決へとつなげていきます。対象は、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、生活介護、自立訓練サービスを経て一般就労をした障がいがある人で、就業後6ヵ月経過後から最大3年間の期間で支援が実施されます。
一方、就労定着支援をする上で困難なことを、定着支援実績のある福祉サービス事業所(障害者職業・生活支援センター、就労移行支援事業所、相談支援事業所)を対象に調査したところ、全ての機関で「障害者本人から課題解決が必要であることに理解を得ること」に困難を感じていることがわかりました。始まったばかりのサービスということもあり、事業所も支援の方法を模索している段階と言えそうです。
参考:
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