企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ハンテンジュギョウ 反転授業

「反転授業」とは、従来の授業形態を「反転」させた学習スタイルのことを指します。従来の学習ではインプットを授業中に、アウトプットを宿題として行っていました。しかし、「反転授業」ではまさにこの逆。インプットを家庭で、アウトプットを授業中に行うのが特徴です。具体的には、事前に家庭でeラーニングなどを用いた学習を行い、学校では通常宿題として取り組むような演習やディスカッションに時間を使います。2000年代にアメリカ国内で始まった試みで、国内でも東京大学をはじめとする複数の教育機関が導入。企業研修にも活用できるとして、注目を集めています。
(2018/12/17掲載)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

反転授業のケーススタディ

少しずつ導入が進む反転授業
知っておくべきメリットとデメリット

従来行われてきた授業はインプット中心で、一方的に知識を付けさせることに終始しがちでした。しかし反転授業では、もっている知識を「どうやって生かすか」に焦点が当てられます。授業をアウトプットの場として活用することで、教師が生徒・学生の能力や特性に気付きやすくなり、一人ひとりのレベルに応じた学びを提供できるようになります。

また、授業時間に座学で教える場合、理解できない箇所があっても、周囲の目を気にしてそのままやり過ごしてしまうことが少なくありません。これに対して、家庭での学習ではPCやタブレット、スマートフォンなどで映像教材を視聴するため、分からない箇所があれば巻き戻し、理解できるまで繰り返し学ぶことが可能です。反転授業を行うことで、学習の “漏れ”を防ぐことができるのです。これにより、実質的に生徒・学生の学習時間を増加させ、学習の進度を早めることができます。また、学んだ知識を使う機会を提供することで学習意欲が向上し、学習の質を高めることもできます。

こうした反転授業の概念を活用し、eラーニングでの個別学習と集合研修を組み合わせて行う企業も増えています。eラーニングは集合研修と比べて時間や場所の制約を受けづらいというメリットがあるため、従業員には空いている時間に好きな場所で事前学習をしてもらうことができます。さらに、その内容を生かした集合研修を行うことで、eラーニングだけでは学びきれない、より実践的なスキルを身に付けることが期待できます。

このように、メリットの多い反転授業ですが、デメリットや注意点にはどのようなものがあるでしょうか。まず反転授業は、予習として事前に授業の内容を学習してくることが前提。そのため、ここをさぼってしまうとアウトプットの時間が全く意味のないものになってしまいます。特に義務教育の子どもを持つ保護者は、しっかりと子どもの学習を監督しサポートすることが必要です。また、反転授業を企業研修として実施する場合にも、受講者が事前課題を忘れないようリマインドを行ったり、受講期間として無理のない日程を組み立てたりといった配慮が重要です。

さらに、家庭での学習環境整備にも課題があります。日本では約8割の家庭がインターネット回線を導入していますが、容量の大きな映像を視聴するには、受講用の端末の配布など、円滑に学習に臨める環境を整えなければならない場合もあります。

導入の課題も多い反転授業ですが、活用できれば大きな効果が期待できます。限られた時間の中で学習の効果を最大化するためにも、学校や企業にはこうした手法を積極的に取り入れる姿勢が求められるでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

eラーニング
社員の早期戦力化やスキルアップに欠かせないのが社員研修です。しかし、研修を実施するためのコストや労力にくわえ、学ぶ側の時間調整や効率といった問題から、従来の社員研修にはさまざまな課題も存在します。そうしたなか注目を集めているのが、時間と場所を選ばず学べるeラーニングです。ここでは、eラーニングを導入...
LMS
「LMS」とは、Learning Management Systemの略。eラーニングを行うための学習管理システムのことで、「eラーニングシステム」や「eラーニングプラットフォーム」と呼ばれることもあります。研修などにeラーニングを取り入れる際、企業では受講者が利用する学習教材や学習進捗の管理、受講...
マイクロラーニング
社員をどのように育成していくかは、人材開発担当者にとって重要課題の一つです。これまでに多くの人材育成方法が考えられてきましたが、若い世代の志向に合う方法として近年注目されているのが「マイクロラーニング」です。

関連する記事

マネジメント・管理職研修をどう企画・実施するか
現在、変革期を迎えているマネジメント・管理職研修だが、研修を企画・実施する場合、どのような点を重視し、自社に合った内容を作成していけばいいのか。以下では、そのステップと留意点を整理していく。
2016/06/10掲載よくわかる講座
研修の準備と段取り
研修の実施に当たり、事前準備や研修当日の運営において行うべきことは多い。これら研修の準備と段取りについて、ポイントを整理してみたい。
2012/10/12掲載よくわかる講座
研修の種類と形式
企業は従業員の仕事の質を高めていくために、さまざまな研修を実施し、能力開発、知識・スキルアップを図っていかなくてはならない。ここでは、研修の種類と形式、内容区分などについて紹介していく。
2012/10/12掲載よくわかる講座

関連するQ&A

英語で学ぶE-ラーニングツール
会計分野あるいはBPRについて、英語で学習するE-ラーニングツールがあれば費用や内容など教えていただきたいです。学習者が外国人のため、日本語のサイトだと学習効果という点で困難なところがあるためです。よろしくお願いいたします。
学習塾の人事制度について
人事制度の抜本的な改革に取り組もうとしております。学習塾を専門としたコンサルタントをご紹介いただけないでしょうか。
必須通信教育と労働時間の考え方
いつもご利用させて頂いております。 以前こちらにご相談し、必須資格を社内で定めたとしても、その学習方法は個人に委ねるべきとのご意見を多く頂きました。(というのも、例えば、通信教育の受講を義務付けると、会社からの指揮命令として学習時間が労働時間と看做される可能性が高いと。) ですが、必ず身につけて...
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 人材開発 ]
待ったなしの「ハラスメント対策」。防止と早期解決に役立つサービスと選び方をご紹介。

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

最短1営業日で従業員代表を選出しませんか Web採用説明会でエントリー30%UP

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


「ハラスメント対策」に役立つソリューション特集

「ハラスメント対策」の早期解決とおすすめのサービスを紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


働き方改革の時代に必要な勤務管理システム活用術<br />
システム選定のポイントと導入までの道筋を解説!
new

働き方改革の時代に必要な勤務管理システム活用術
システム選定のポイントと導入までの道筋を解説!

2019年4月より大企業に対する適用がスタートした「働き方改革関連法」...


メンタルヘルス・健康経営セミナー<br />
職場の活力アップを考える

メンタルヘルス・健康経営セミナー
職場の活力アップを考える

人材不足、多様性、働き方改革など、近年は人材に関する環境が大きく変化。...