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職務明確化の方法:貢献責任の抽出方法

「ジョブに基づく人事制度」に関する過去の記事を再掲載してきましたが、ここで改めてその根幹となるジョブ(職務・役割)の明確化の方法を具体的に説明していきたいと考えています。内容は2021年2月に弊社ホームページに掲載したものを基本に再編集し、6回にわたってここに再掲載します。今回はその第5回です。

職務明確化の方法(5)

貢献責任の抽出方法

「職務明確化」の最後の締めくくりとして残り二回で「貢献責任の抽出方法」と「貢献責任記述の決め事」を説明してみたい。

 

前回までで職務・役割の定義から始まり「貢献責任」という考え方を説明させて頂いた。職務・役割の構造を理解して頂ければ、この概念の重要さは理解して頂けたと思う。次の課題は膨大な業務活動からなる職務・役割からどうやってこの「貢献責任」を抽出するかである。このやり方にはトップダウンによる方法とボトムアップによる方法の二つがある。

 

30年前、職務分析を始めた頃は、ボトムアップによる抽出が一般的であった。社員を集めてどのような業務活動をしているかを書き出して頂き、それらが何のために行われているかを確認しながら、それぞれの社員の「貢献責任」をギリギリまで絞り込み、特定するというプロセスを踏んでいたのである。これは大変時間と労力のかかるプロセスであったが、当時はこのプロセスそのものから得られることが多いとの評価を頂いていた。

 

特に会社の根幹を支える職務・役割に対する経営トップの考え方と社員の考え方とのズレが具体的に表面化したのである。「貢献責任」は単に概念的な理解だけでなく、この記事の後半で述べるように明確な記述を求められるため、その「ズレ」が「見える化」されたのである。このズレの修正は、社員の職務・役割に対する認識を修正する機会となり、その結果が公式に文章化されたのである。

 

もう一つのトップダウンによる方法は、経営トップが求める社員の貢献責任のあるべき姿を最初に提示する方法である。経営戦略の重要性が浸透してきた最近は、どの会社でも必ず経営戦略が明示されている。それを個々の管理職・社員の職務・役割にまで具体的にブレークダウンするのが、「貢献責任」を明確化するトップダウンによる方法である。

 

以前みのりのホームページに、「思いの実現を支える組織づくり」というコラムを連載したことがある。多くの会社では組織の構造は示されるが、その構造の持つ目的・求めるアウトプットが、その構造の中に位置づけられた個々の職務・役割にまで落とし込まれることが少ないことを指摘した。みのりコンセプト(1)の絵が示しているように、職務・役割は経営戦略とそれに基づく組織構造から引き出されるものであり、このプロセスが無ければ組織構造は絵にかいた餅に終わってしまう。

 

【みのりコンセプト(1)総合的人的資源マネジメント

 

トップダウンによる方法のもう一つの形は、上司の貢献責任から部下の貢献責任を抽出する方法である。上司の貢献責任が示されれば、部下は自分の貢献責任の在り方を考えやすくなる。経営トップ自身が考える「貢献責任」の在り方がその直下の経営幹部の職務・役割に正しくブレークダウンされていれば、その貢献責任に基づき、それより下位の部下の貢献責任を的確に記述することが可能となる。

 

トップダウンによる方法を取ることにより、貢献責任の大枠が決まると全ての職務・役割の貢献責任を明確化するプロセスは大幅に簡略化され時間的にも短縮される。実際にはトップダウンによる方法とボトムアップによる方法を組み合わせることにより、現場で行われている重要な価値創造の業務活動が浮かび上がり、全社的により良い貢献責任のリストが出来上がることにつながる。

  • 経営戦略・経営管理
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組織/人事/戦略分野を中心に25年以上の豊富なコンサルティング経験

秋山 健一郎(アキヤマ ケンイチロウ) 株式会社みのり経営研究所 代表取締役

秋山 健一郎
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所在地 港区

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