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職務明確化の方法:職務の構造

「ジョブに基づく人事制度」に関する過去の記事を再掲載してきましたが、ここで改めてその根幹となるジョブ(職務・役割)の明確化の方法を具体的に説明していきたいと考えています。内容は2021年2月に弊社ホームページに掲載したものを基本に再編集し、6回にわたってここに再掲載します。今回はその第2回です。

職務明確化の方法(2)

職務の構造

「ジョブに基づく人事制度」構築を進めるに当たってカギとなるのは「職務明確化」である。しかしその方法を知らずに「ジョブ型雇用」という言葉が独り歩きしている。「ジョブ型雇用」の良し悪しの議論の前に、職務とは何か、それをどう定義するのか、その出来上がりの姿はどのようなものか、等々を知って頂きたい。それを分かって頂けると、今行われている議論の多くの部分は不要となる。「職務」という言葉に対する心理的な抵抗感が多く、その抵抗感に基づく否定的な議論の展開が多いと感じる。そのためにまず「職務」に関する基礎的な知識を身に着けて頂きたい。

 

人事制度の根幹は職務にあるということは今まで折に触れ伝えてきた。多くの日本企業では社員を「能力」という視点でとらえ、「職務を明確化する」あるいは「職務を処遇のための基礎」とすることはしてこなかったのである。アジア欧米の多くの企業が社員処遇の公正さの基盤を職務に求めて来たのに対し、日本ではヒトの能力に置いたのである。この問題の根深さは別の機会に詳しく説明したい。

 

みのりでは「職務」という言葉は使わず『役割』という言葉を使っている。これは従来の職務調査、職務分析という言葉に対する抵抗感を避けるためである。職務明確化の結果として、書いたものとして残すのが「職務記述書」あるいは「ジョブ・ディスクリプション」である。これらを作成するに当たっては「ジョブ」「職務」あるいは「役割」とは何かを理解していることが必須である。伝統的な日本企業では「人が職務を作る」という言い方で、職務を融通無碍で何とでも解釈できる位置づけとしてきた。従って改めて職務とは何かと聞かれても明確には答えられないのが実状である。

 

みのりでは職務を目的・貢献責任・業務活動の三層に分け、職務記述書にはその根幹となる「貢献責任」を中心に記述することを推奨している。職務とは「全社戦略達成のために期待される貢献の集合」と定義し、一つひとつの貢献すべき内容を貢献責任と呼んでいる。この理解が職務明確化の出発点となる。どのような職務も存在する目的は分かり易いケースが多い。また日々の業務活動も朝の出勤から始まり(今はリモートでZoomの立ち上げから始まることが多い)、関係者との会議・連絡・調整・報告・帳票類の作成等々数え方にもよるが数百数千とある。一番重要なのはその職務の目的達成のために、日々の業務活動それぞれは何のために行われているかを考えることである。同じ会議に出る場合でも、その会議に出ることにより会社に対してどのような貢献をもたらすのかを意識したものでなければ、有意義な会議とはならないであろう。

 

伝統的な日本企業ではこれを考えるのが社員の責任としていたが、人による差が大き過ぎた。それにもかかわらず共同体的な組織では、その差を能力評価で引き取るだけで、組織全体としてのアウトプット向上につなげるという発想はなかった。しかし職務に基づく人事制度あるいはジョブ型雇用を本格的に進めようと思えば、貢献責任を定義するのは会社の責任である。組織を機能的に運営するためには、組織構造を支えるそれぞれの職務にどのような貢献を期待するかを明示すべきであろう。

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組織/人事/戦略分野を中心に25年以上の豊富なコンサルティング経験

秋山 健一郎(アキヤマ ケンイチロウ) 株式会社みのり経営研究所 代表取締役

秋山 健一郎
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所在地 港区

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