佐藤将 連載コラム「ニッポンが世界を元気にする」②
2.ねえ君はもうグローバル以上
『一人にできないので、引き受けましたよ』
「我が社の人材育成のあり方を抜本的に変えたいんです」と言う若手人事マン達と飲んだときのこと。
「上の世代にもっと期待したい事は何ですか?」と訊いてみた。
「・・・うん、そうですね、仕事だけでなく、人生に関するお話をもっと聞きたいですね」
「・・・どうして?」
「いや、自分は週末、海外の学生を日本企業に紹介するグローバル・インターンシップのお手伝いをしているんですけど(目がイキイキ)」
「それって面白そう」
「面白いっすよ。前に、ある学生が来たとき、日本でのホームステイ先が手配されてなくて・・一人で放っておけなくて、引き受けましたよ(目に自信)」
「へえ」
「狭い自分の部屋で、背の高いアメリカ人だったから大変でしたけど(笑顔)」
『でも、私たちはこう考えるのです』
あるグローバル企業の若手研修合宿でのこと。
入社3年目の若手が、過去2年間の経験を振り返り「自社らしさ」を語る。
なぜか謙虚でトーンも低い世代だけど、映像を使った目が醒めるプレゼンが続く。
そして、3つめのグループ。
先輩達のエピソードや心に響いた言葉が続いた後
→「我が社らしさって何?」→客観的な(他人の)言葉が次々とスライドイン→(しばし間をおいた後)、
→「でも私たちはこう考えるんです」
→そして、自分達のアンサー(背筋の伸びたスピリッツある姿勢)」
『思い、強いっすよ』
最近、シンガポールでサマー・インターンをしている日本人の学生たちにお会いした。
東大の大学院で「フクシマの放射能廃棄物の将来コスト」を研究しているという学生。
「就職は?」
「インフラ系がいいですね」
「それは、今の専攻から?それとも安定志向から?」
「もちろん、専攻からです」
(少し目に力が入り)「僕たちの世代、危機感あります。社会を変えたいって思い、強いっすよ」(輝く目)
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昨今、日本で盛んな「グローバル人材が足りない」という議論。
でも、それって旧くない?
かつては、海外で営業や交渉ができる人材が国際要員。
その後、工場や販社で自社のノウハウが伝えられる人材が海外派遣者。
どちらのモデルも、もちろんまだ大事だけど・・・
でも「21世紀のグローバル人材」って、どんな人材?
誰?どこにいる人?どういう働き方をしている人?・・・それとも、どういう人?
今はもう手の中の携帯ひとつクリックすれば、世界とつながれる時代。
TOKYOの街は世界中のもので溢れている。
生まれた瞬間にグローバル、気づいたらグローバル
そもそも時代は「グローバル人材になるか、ならないか(To be, or not to be)」っていう選択肢すら迫らないのかもしれない。
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それは無常観を呼び起こした「3.11」のせい?
それとも、失われた20年を欧米より15年先に経験したせい?
もしかして、上の世代が失敗と呼ぶ「明治パラダイムの敗戦」によって得られた自由のせい?
今のニッポンの若者には、世界に先駆けた「突き抜け感」がある。
世界の若者が必要とする「力」を宿している。
だから、-- Just the way you are -- そのままでいい。世界が待っている。
- モチベーション・組織活性化
- グローバル
- リーダーシップ
- マネジメント
- チームビルディング
海外最前線でのコンサルティングを数多く手掛けてきたのち、2013年3月にジェイフィールに参加。これまでのキャリアの半分以上が海外。
グローバル環境下でのチェンジマネジメントや組織再編、現地幹部マネジメントや人材育成などを手掛けてきた。現在は、「日本と世界の若者を元気に」の実現のため、新たな経営の"形"と時代の"生き方"をともに考え、変えていける人・場づくりをリード。
佐藤 将(サトウ ショウ) コンサルタント
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