パーパス・戦略推進を強化する組織・ジョブデザイン
パーパス・戦略推進を強化する組織・ジョブデザイン
「組織は戦略に従う」(アルフレッド・D・チャンドラー Jr.)といわれますが、タナベコンサルティングでは「組織・ジョブ変革はパーパス・MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)と成長戦略に従う」と提言しています。パーパス・MVV を実現する成長戦略を推進するためには、人的資本の価値を最大化する組織構造へのアップデートが必要だということです。大切なのは「組織変革」と「ジョブの再定義」です。
「組織変革」のポイントは3つあります。1つ目は「ミドル機能の強化」です。タナベコンサルティングは、組織を「フロント」「ミドル」「バック」の3機能に区分し、バック機能の効率化・省人化を図りながら体制を再設計して、戦略機能を強化するミドル機能を再定義し、人的リソースを配分することを推奨しています。経営管理部や情報システム部、人事部などのミドル機能は、ブランディングやESG、DXなど、より戦略的なミッションを持つ部門にアップデートします。
2つ目は「人事部門の戦略人事化」です。従来の人事部門は労務管理・給与計算のオペレーション人事、制度設計・運用の“インフラ人事”が中心でした。今後は、戦略の実現を支える攻めの“戦略人事”として戦略立案機能を強化し、HRに関するDXも推進するプロフェッショナル組織への変革が求められます。HRテックツールの活用は、全社視点の人材マネジメントや、現場責任者による情報の見える化にも有益です。
3つ目は「現場主導の人材マネジメントとHRビジネスパートナー(HRBP)の設置」です。人事権を現場に委譲することで、組織ニーズに基づいた採用・登用・育成とDE&I(ダイバーシティー・エクイティー&インクルージョン)の推進がスムーズになります。また、経営視点で組織や人の課題を設定し、高度な解決策を提言できるHRBPを各事業部に置き、現場に即した人材マネジメントを戦略的に行うことをお勧めします。
「ジョブの再定義」には、2つのステップがあります。
1つ目は「人材ポートフォリオの策定」です。中長期ビジョン・計画の成長戦略を実現する、将来の人材ポートフォリオの姿を描くものです。雇用形態の視点ではなく、オペレーション業務は契約社員、コア業務やマネジメントはゼネラリスト正社員、より専門性の高い業務はプロフェッショナル正社員や外部リソースの活用をするなど、ジョブを軸に再配分する視点に立つと、中長期的なイメージが具体化します。
2つ目は「ジョブディスクリプション(職務記述書)の作成」です。これによって職務を具体化します。経営者や人事だけで作成すると理想に偏り、現場の実態と乖離しがちであるため、現場マネジャーが参画するプロジェクトでの作成を推奨します。最も大事なのは「一度作成して終わり」にしないこと。戦略が変われば、それに応じて組織・ジョブディスクリプションもブラッシュアップし、広く多様な人材を活用していくことが重要です。
※本コラムは岡原が、タナベコンサルティングの経営者・人事部門のためのHR情報サイト、TCG reviewにて連載している記事を転載したものです。
【コンサルタント紹介】
株式会社タナベコンサルティング
HRコンサルティング事業部 ゼネラルマネジャー
岡原 安博
外資系ラグジュアリーブランドで店舗マネジメントに従事後、人事コンサルティング会社にて組織・人事領域のコンサルティング、教育、組織開発等の経験を経て、当社へ入社。人事領域全般のコンサルティングを中心に、上場・中堅企業の人事制度・教育体系の構築において数多くの実績を持つタナベトップコンサルタントの一人。
主な実績
・中期経営計画策定コンサルティング(組織・人事戦略策定)
・グループ経営企業の人事制度統合コンサルティング
・金融・建設・製薬・物流の人事制度構築コンサルティング
・その他多種多様な業界での人事制度・教育制度構築実績あり
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
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創業60年以上 約200業種 15,000社のコンサルティング実績
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タナベコンサルティング HRコンサルティング事業部(タナベコンサルティング コンサルティングジギョウブ) コンサルタント
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