新卒採用を見据えた人事制度構築とキャリアパス提示の考え方
新卒採用を見据えた人事制度構築とキャリアパス提示の考え方
新卒学生が集まる魅力的な人事制度・キャリパスとはいかなるものか?
学生は「選択肢」と「選択権」のある人事制度・キャリアパスを望む
「働きやすさ」と「働きがい」を人事制度を通して確認している
新卒学生の注目度が高い人事制度の切り口は以下3点である。
1. 勤務地を固定とした雇用形態
2. 福利厚生(特に住宅補助や連続休暇)を充実させた制度
3. 社会課題の解決が評価される評価制度
1.2.では、共通して、ワークとライフのバランスを見ている。どちらかに寄りすぎることなく、両方の「バランス」を重視しており、職業観を問うアンケートでも「仕事とプライベートの時間は切り分けたい」と回答する学生が過半数を占めている。
3.では、仕事の目的が内(社内)ではなく、外(社外)に向かっていると感じると働きがいのある仕事と判断している。これは、幼少期からリーマンショック、東日本大震災、新型コロナウイルスなど非日常を定期スパンで経験した世代の特徴である。自社の存在目的や社会の中での価値から伝える工夫が必要である。
「選択肢」や「チャンス」を感じるキャリアパスを望む学生
学生が希望するキャリアパスの特徴として以下3点を示す。
1. 多様な活躍をイメージできるキャリアパス
2. 職種バラエティに富んだキャリアパス
3. 活躍次第では若手から昇進のチャンスがあるキャリアパス
働き方や価値観の多様化により、1つの道を究めるのが当然だという価値観は薄くなっている。新卒1年目の社員対象でのアンケートでは、60%強が「転職はありだと思う」と回答している。ライフスタイルや多様な経験にチャレンジできるキャリアパスがあることで、社員を大切にしてくれる会社だと認識をしている。また、若手(30歳前後)のうちから、活躍次第では次のステップの可能性があることを望む声も多い。キャリアが硬直している会社は、成長性の低い会社だと学生の目には映っている。
上記にて、学生が魅力を感じる人事制度とキャリアパスを挙げたが、もちろん闇雲に取り入れるばかりでは、活用されない制度も増え、本来必要な制度に、労力と費用を割くことが出来なくなってしまう。 自社の成長に必要な制度であるかを精査した上で、今の新卒学生の価値観も反映した制度作りを検討してはいかがだろうか。
※本コラムは立入が、タナベ経営の経営者・人事部門のためのHR情報サイトにて連載している記事を転載したものです。
【コンサルタント紹介】
株式会社タナベ経営
HRコンサルティング大阪本部 コンサルタント
立入 俊介
総合人材サービス会社にて、大手企業~中小企業の新卒採用・人材育成支援に従事。プレイングマネージャーとして組織マネジメントを担い、社内外両面の組織改革を経験。タナベ経営入社後は、採用領域での知見を活かしながら、「社員が活き活きと働き、周囲に薦めたくなる組織作り」の信条のもと、人事領域全般の課題に取り組んでいる。
主な実績
・新卒採用支援
・人材育成支援(育成計画の立案、研修の実施支援)
・組織活性化施策立案(組織戦略立案、部下育成、人事考課、組織風土改善PJ など)
・人事評価賃金制度コンサルティング
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