ストレングスファインダー(R)の導入前に押さえておきたい本質
ストレングスファインダー(R)は、いまや世界中で多くの人に活用されている自己診断ツールです。企業での導入事例も増え、「うちでも取り入れてみようか」と検討する組織も年々増えてきています。
ただし、このツールを効果的に活かすには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。単に診断を受けて結果を配布するだけでは、期待していたような変化は起きません。むしろ、人によっては警戒心や反発を生むことさえあります。
というのも、資質を「あなたはこういう人ですね」と短絡的にラベリングされたように感じる方も一定数いるからです。特に、これまでに他のタイプ分けツールなどでそうした扱われ方を経験している方は敏感です。「また決めつけられるのか」と身構えてしまうこともあるでしょう。
ストレングスファインダー(R)が本来伝えようとしているのは、「人は皆ちがっていていい」「だからこそ、それぞれの強みを活かそう」という考え方です。同じ資質を持っていても、その出方や組み合わせによって、一人ひとりの特性はまったく異なります。つまりこれは、「違い」を認め合うためのツールなのです。
導入の際には、この前提を丁寧に共有することが欠かせません。そうでなければ、一部の社員にとっては「苦手なことをあらためて突きつけられる」「評価の材料にされる」といった誤解が生まれ、逆効果になりかねません。
ストレングスファインダー(R)の重要な哲学の一つに、「できないことではなく、自然にできていることに目を向ける」というものがあります。日々の仕事のなかで無意識にやっている行動や思考の癖こそが、その人の強みです。それに気づき、自分らしいやり方を深めていくことで、成果につながりやすくなります。
つまりこのツールは、「何ができるのか」を判定するものではなく、「どうすればもっと上手くできるか」を考えるためのヒントを与えてくれる存在です。役割や職種に関係なく、今すでに取り組んでいる仕事をより自分らしく、より効果的に進めていくための道具として活用できます。
そのため、導入にあたっては「診断を受ける」ことそのものが目的にならないようにする必要があります。大切なのは、その結果をどう受け止め、どう活かすか。その前提となる考え方を、しっかりと伝えたうえで進めることです。
このような背景や哲学を正しく伝えるには、ストレングスファインダー(R)の理念と実践を深く理解したファシリテーターの存在が効果的です。とくに、ギャラップ社が認定しているストレングスコーチは、ツールの解説だけでなく、現場でどう活用するかという部分まで支援できるトレーニングを受けています。
「診断したけれど活用しきれなかった」「人によって温度差が出てしまった」といった事態を避けるためにも、最初の設計段階から専門家のサポートを検討されることをおすすめします。ストレングスファインダー(R)は、使い方次第で、組織に本質的な変化をもたらす力を持ったツールです。

このコラムを書いたプロフェッショナル
知識茂雄(チシキシゲオ)
ガイアモーレ株式会社提携講師(株式会社ハート・ラボ・ジャパン)
前職では半導体製造技術者として勤務しながらコーチングやアサーション研修の社内講師も務める。独立後、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングやリーダーシップ研修を中心に提供。ストレングスファインダーのプロファイリングに定評がある。

知識茂雄(チシキシゲオ)
ガイアモーレ株式会社提携講師(株式会社ハート・ラボ・ジャパン)
前職では半導体製造技術者として勤務しながらコーチングやアサーション研修の社内講師も務める。独立後、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングやリーダーシップ研修を中心に提供。ストレングスファインダーのプロファイリングに定評がある。
前職では半導体製造技術者として勤務しながらコーチングやアサーション研修の社内講師も務める。独立後、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングやリーダーシップ研修を中心に提供。ストレングスファインダーのプロファイリングに定評がある。
得意分野 | キャリア開発、リーダーシップ、コーチング・ファシリテーション、チームビルディング、コミュニケーション |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 熊本市 |
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