ストレングスファインダー(R)を通しての他者理解
以前、とある企業でストレングスファインダー(R)を実施した際のことです。
その企業では、支店ごとに二回に分けて研修を行いました。そして、二回目にとても嬉しい報告を受けることができました。
初回の研修では、資質のプロファイリングにより自己理解と他者理解を深めていただき、一週間の宿題として、お互いの強みがどんな場面で発揮されているのかを観察してもらいました。これは、“強み”に意識を向けることで、どんな変化が起こるのかを体感してもらうためです。
今回、いろいろなお話をシェアしてもらい、自分の想像以上に皆さんが前に進んでいることを実感しました。特に支店長の言葉が印象的でした。
「前回の研修で私の『収集心』の説明をしてくださったことで、早速こんなことがありました。」
「◯◯さんが私を通す必要のない前回の研修の報告書を『目を通されたいと思って…』と私に渡してくれたんです。」
「それが、私にとっては一番嬉しいことでした。」
これを聞いたとき、私自身も涙が出そうになるほど嬉しく思いました。資質を通してその人の思考パターンを知ることはできても、そこから行動を変えるのは簡単ではありません。でも、やるべきことはこうしたほんの少しの気遣いです。ここで行われているのは、相手の資質に栄養を与えること。この小さな気遣いが、後々大きな違いを生むのです。そしてまた、この支店長の部下の些細な気遣いに感謝できる姿勢が素晴らしいですね。
他にもエピソードがありました。こちらは、部下の言葉です。
「時々支店長に声を掛けづらいことがあって『今日は機嫌が悪いのかな?』と思っていたけれど、『内省』で考えているだけとわかったので、タイミングだけを考えて気にせず声を掛けられるようになりました。」
「ああ、これもあるあるだなぁ」と思いました。「内省」で思考に没頭しているときって、表情が消えるんですよね。でも、周囲の人から見たら、それまでにこやかに話していた人の表情が突然消えたら、戸惑いますよね。でも、「内省」があるからそうなるのだと説明があり、そのメカニズムがわかれば、それを踏まえて関わることができるので、余計な気を使わずに済みますね。
そして最後に、私から支店長の気持ちを代弁して今回の研修を締めました。
「支店長が叱るとき、ダメ出しするときは、『あなたはもっとできるはず』『あなたのポテンシャルはこんなものではない』と、期待しているからです。」
「『最上志向』の人は、もうこの人には期待できないと思うと、もはや叱ることすらしません。だから、支店長からのダメ出しは、『あなたに期待しています』とのメッセージと受け取ってください。」
こういったことも、資質という概念がなければ伝わりにくいかもしれません。でも、「最上志向」という資質にはそういう特徴があると説明すれば、納得感が全然違うと思います。だからこそ、ストレングスファインダー(R)による自己理解、他者理解には大きな意味があるのです。
今回の研修を通して、改めて他者理解の大切さを知ることができ、私にとってもとても良い時間でした。
- キャリア開発
- リーダーシップ
- コーチング・ファシリテーション
- チームビルディング
- コミュニケーション
ストレングスファインダーで変革を促す~対話と多様性を重視し、個々の強みを活かすことで組織全体の成長をサポート~
前職では半導体製造技術者として勤務しながらコーチングやアサーション研修の社内講師も務める。独立後、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングやリーダーシップ研修を中心に提供。ストレングスファインダーのプロファイリングに定評がある。
知識茂雄(チシキシゲオ) ガイアモーレ株式会社提携講師 株式会社ハート・ラボ・ジャパン
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所在地 | 熊本市 |