組織は頭から腐る
今回は今週の1冊があまりにも強烈だったのでその内容
をテーマにします。
その1冊とは
「第三者委員会によるスルガ銀行の調査報告書」
この報告書、全321ページにも及ぶ読み応えのある超大作。
日本の企業、しかも東証1部の金融機関で未だにこんなこと
がまかり通っていたとは、と驚きの連続です。
組織は頭から腐る。しかしこの報告書を読む限り腐って
しまった組織は内臓も筋肉もさらには尻尾まで全て腐って
いってしまってしまうことがよくわかります。
例えば、報告書の中から
複数の行員から、「10件くれば 10 件はどこかしらに不正」
「不正が全くない案件など、全体の 1%あったかなかったか
そのレベル」「100 件中 95-99 件程度は何らかの不正が存在
する案件」「偽装が一切無い案件は、100 件中、あって 1 件か
2 件。そのような状態なので、自分以外が知らないなどという
ことはあり得ない」といった回答も寄せられた 。
これほどまでに人は弱いのか。まともに考えたらやってはいけ
ないことを閉鎖された組織の中では、なぜ平気でやってしまう
のか。この報告書は組織の怖さと人間の弱さを赤裸々に解き明
かしてくれています。
また、この報告書ではスルガ銀行の組織、人事制度や会議体の
あり方まで詳細に挙げての日常のやりとりなども詳細に綴られて
います。
取締役会でなすべきことは何か、社外取締役の役割とは。そして
コンプライアンスの意味は?組織を健全に保ちその中でいかに
事業を行なっていくのか。この報告書を使って読み解く研修は
実に身になるものになるでしょう。
例えば、ここまでハラスメントという言葉が浸透してきている
中でこんな日常があるのです。
毎月、月末近くになってノルマが出来ていないと応接室に呼び出されて
(バカヤロー)と、机を蹴ったり、テーブルを叩いたり、1 時間、2 時間
と永遠に続く。給料返せなどと、怒鳴られる。こう言う本部長や支店長、
センター長は 1 人 2 人ではない。知っている限りでは全体の半分ぐらい
そうだ。数字で怒鳴ったりしない支店長は、珍しく社員の中で噂が流れる
ほどだ。ノルマが出来ないと夜の 10 時過ぎても帰れない。残業代など
支払われるはずがない。
「なぜできないんだ、案件を取れるまで帰ってくるな」といわれる。首を
掴まれ壁に押し当てられ、顔の横の壁を殴った。数字ができないなら、
ビルから飛び降りろといわれた。毎日 2~3 時間立たされて詰められる、
怒鳴り散らされる、椅子を蹴られる、天然パーマを怒られる、1 ヶ月間無視
され続ける。
「死ね」「給料どろぼう」「出来るまで帰ってくるな」などは平気で言わ
れた死んでも頑張りますに対し、それなら死んでみろと叱責された。
それにしてもここに書いてあることは、今の企業の中で特異なものなのか
それとも程度の差はあれどそういうものなのか。その感想も聞いてみたい
ものです。
いずれにせよ、このような組織を作らない。組織の前に自分を守る。
そんな人を作っていきたい。強くそう感じます。
- モチベーション・組織活性化
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「階層別研修であってもパッケージ化はしたくない」という信念のもと、実施対象者の課題や成長目標をその都度伺った上でオリジナルプログラムの研修を開発・提供しています。
岩野 敬一郎(イワノ ケイイチロウ) 株式会社アクシア 代表取締役
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