現場の人材育成、上手くいっていますか?
「色々なスキル研修を受けて、自分は人材育成をやっているつもりでした。でも、それが断片的な活動だったこと、ここまで関わる必要があるということがわかりました。」 先日、半年間の人材育成研修に参加したマネジャーの一言です。
*この研修では育成のやり方を学ぶだけでなく、半年間1人の部下と徹底的に向き合い、 育成活動を実践します。 今回はこの言葉をヒントに、今企業抱えている人材育成の問題について考えてみたいと思います。
先日の日経新聞に企業の成長は人材育成が鍵だと掲載されました。 その声を表すかのように、ここ数年「現場での人材育成が上手くいっていない」 「人材育成の担い手となるマネジャーが上手く機能していない」という相談を数多く頂きます。 もちろん、企業としてマネジャーを支援するために、コミュニケーション研修や 評価者研修など様々な取り組みを実施しています。
しかし、中々上手くいかず、未達の課題となって毎年頭を悩ませている・・・ なぜ、上手くいかないのでしょうか。 今のマネジャーは部下や後輩と向き合って育てた経験や、逆に人材育成をされた経験が少なく、 人材育成の進め方がわからない、人材育成の自信や意義が感じられないケースが多いです。 加えて、今のマネジャーは、短期的な目標達成のプレッシャー、働く人達の多様化、 職務の細分化・専門化などの環境で人材育成を進めにくい状況にいます。 当たり前のことですが、仕事の全体像・進め方がわからないと良い仕事ができないように 人材育成の全体像・進め方がわからないと、人を育てることはできません。 また、人材育成の意義が感じられないと、忙しい環境の中、優先順位はあがりません。
毎年多くのマネジャーを支援させて頂く中で感じるのですが、 多くのマネジャーがここに問題を抱えているケースがとても多いです。 *ベースとなる上司・部下の信頼関係が築けていないというケースもありますが、 その話はまた別の機会に。 では、どうすればよいのか。 この問題を解決するために奇策はありません。 人が育つ組織をつくるという役割に立ち返り、下記2つの視点に立って、 従来のマネジャー支援の枠組みを見直すことだと思います。
・ 人材育成の進め方を学び、一つひとつを実践し、流れを体感すること
・ 成功体験を通じて人材育成に対する自信と意義(喜び・やりがい)を見出すこと
冒頭のマネジャーの言葉にあるように、断片的ではなく一連の流れとして捉えること、 それを頭で理解するだけでなく身を持って経験し、腹落ちすることが重要なのです。 そして成功体験を積むことで人材育成に対するやりがいを引き出すことが、 問題解決につながります。
当たり前のことと感じる方は多いと思いますが、 その当たり前が上手くいっていない状態が広がっています。 残念ながら「ツールは与えたから」と放って置いては、現場では中々進みません。 今、企業に求められているのは、人事部が現場に踏み込んで、 マネジャーがとことん部下と向き合い、人材育成の成功体験を得る機会を 意図的に作り出す支援ではないでしょうか。
- モチベーション・組織活性化
- 人事考課・目標管理
- キャリア開発
- マネジメント
- チームビルディング
どうしたら「人が育つ組織」をつくれるのか。
このテーマを中心に、様々な組織変革の支援を行っています。
人は仕事や人との関わり合いを通じて現場で成長する。アサヒビール(株)の営業経験などから得たこの考えの元、現場で一人ひとりが成長し続けることができる「場」を創り出し、企業変革を実現することをテーマとして取り組んでいる。
山中 健司(ヤマナカ ケンジ) 株式会社ジェイフィール コンサルタント
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所在地 | 渋谷区 |