人生100年時代
人生100年時代とは?
「人生100年時代」とは、英国ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏が長寿時代の生き方を説いた著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』で提言した言葉です。グラットン氏は、寿命が延びて100歳を超えるようになれば、これまでの80歳程度のライフコースを見直す必要があると語っています。「人づくり革命」を掲げる日本政府は、2017年9月に「人生100年時代構想会議」を開催。有識者議員としてグラットン氏を招き、意見を聞きました。
80歳寿命が前提の人生ステージを見直し
生涯学習の中で仕事を選んでいく時代へ
グラットン氏は『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の中で、「過去200年間、人の平均寿命は伸び続けており、そこから導かれる予測によれば2107年には主な先進国では半数以上が100歳よりも長生きする」と語っています。そして、人が100年も健康に生きる社会が到来するとき、これまでの80歳程度という平均寿命を前提に考えられてきた三つの人生ステージ、『教育を受ける』『仕事をする』『引退して余生を過ごす』というライフコースは大きく見直さなければならないとしています。
ではこれからの「人生100年時代」において、重要性が増すものは何でしょうか。グラットン氏は次の三点をあげています。一つ目は「教育」。専門技能を高め、世界中の競合との差別化を実現するものです。二つ目は「多様な働き方」。70歳を超えて働くことを想定し、一人ひとりが独立した立場で職業について考える必要があります。三つ目は「無形資産」。お金だけでなく、経験や人的なネットワークが重要な資産となります。将来、年を取っても年金を満足に受けられる保証がない中にあって、個々人が高齢になるまで仕事を持ち続けることは必然となるでしょう。
日本政府も「人生100年時代」を踏まえて、「リカレント教育(生涯学習)の充実」「(特に大企業から中小企業などへの)転職・再就職の円滑化」「それらのベースとなる必要とされる人材像の明確化や確保・活用」「産業界として果たすべき役割」を一つのパッケージとして検討することの必要性をあげています。
長寿化が進むこれからは、個々が仕事人生においてさまざまな選択肢を持ちつつ、自分で仕事をデザインしていかなければなりません。そのためには年齢に関係なく、新しい知識やスキルを学び直せることが必要であり、一人にいくつもの仕事の選択肢が存在する社会としていくことが求められるでしょう。
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