スーパーグローバル大学
スーパーグローバル大学とは?
「スーパーグローバル大学」とは、グローバルに活躍できる人材の育成や世界的な研究を推進するために、文部科学省が重点的に財政支援する大学のことです。2014年9月、同省が、国公私立大104校の応募の中から37校を選定しました。スーパーグローバル大学には2種類あり、世界の大学ランキングでトップ100以内を目指す「トップ型」として13校、大学教育の国際化のモデルを示す「グローバル化けん引型」として24校が選ばれています。支援対象となる大学は今後10年間、1校当たり年間最高約4億2000万円の補助金を得て、各校の掲げるグローバル構想の実現に取り組んでいくことになります。
大学の国際化に向けて37校を重点支援
グローバル人材への社会的要請が背景に
昨年、安倍晋三首相の私的諮問機関である教育再生実行会議は、グローバル人材育成に資する大学改革を優先課題と位置づけ、教育内容や教育環境の徹底した国際化に取り組む大学の支援を提言しました。これを受けて、文部科学省では今年度から、大学の国際化を財政的に後押しする「スーパーグローバル大学創成支援」事業をスタート。9月26日に、重点支援の対象となる「スーパーグローバル大学」37校の選定結果を発表しました。
先述のとおり、スーパーグローバル大学には、海外から優秀な人材を獲得し世界の大学ランキング100位以内を目指す「トップ型」と、大学の国際競争力強化のモデルとして、社会のグローバル化をけん引する「グローバル化けん引型」の二つのカテゴリーがあります。選定にあたっては、応募した104校が国際化や競争力向上に向けてどのような取り組みを行うのか――各大学の今後10年間にわたる構想を、文科省の有識者会議が審査。基礎要件となる教育・研究力の水準や学生・教員に占める外国人比率の向上策、外国語による授業の拡大構想などを点数化し、選定しました。
トップ型に選ばれたのは、北海道大、東北大、筑波大、東京大、東京医科歯科大、東京工業大、名古屋大、京都大、大阪大、広島大、九州大、慶応義塾大、早稲田大の13校。「世界トップ10入りを目指す」とうたった京都大は、具体策として、海外の著名研究者の招聘(しょうへい)や先進国の有力大学院との共同教育プログラム策定などを打ち出しています。グローバル化けん引型には24校が選定。千葉大、東京外国語大、東京芸術大、長岡技術科学大、金沢大、豊橋技術科学大、京都工芸繊維大、奈良先端科学技術大学院大、岡山大、熊本大、国際教養大、会津大、国際基督教大、芝浦工業大、上智大、東洋大、法政大、明治大、立教大、創価大、国際大、立命館大、関西学院大、立命館アジア太平洋大、と公立・私立を含めた多様な顔ぶれが並んでいます。こちらは事業構想もユニークなものが多く、例えば立命館大は、海外進出している企業と連携して課題解決型の授業を設ける方針です。また、学生の約9割がキャンパス内の学生寮学生アパートで生活する国際教養大では、留学生と日本人学生が混在する生活空間を「マスコミハウス」「Diplomat(外交官)ハウス」などテーマ別ハウスとして再編し、グローバル人材に必要な力や人間性を育むとしています。
選ばれた大学が今後10年間に受ける財政支援は、トップ型で年間4億2000万円、グローバル化けん引型で同1億7000万円。政府がこれだけの手厚い財政支援を実施する背景に、国際社会で活躍できる人材に対する経済界の切実なニーズがあることは論をまちません。グローバル人材の育成・供給の場としての期待と責任に、大学がどう応えるかに注目が集まっています。
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