ミドル・マネジメント
ミドル・マネジメントとは?
組織の中間に位置するマネジメント層を指します。一般的には「中間管理職」と呼ばれ、具体的な役職としては部長、課長職などがこれにあたります。
経営層と一般社員を結ぶ「要」の役割
深い専門知識や部門間の調整能力が求められる
マネジメントには、3つの階層があります。上位層は、経営の最終責任を負う立場の「トップ・マネジメント」。下位層は、現場でメンバーと共に目標を達成する「ロワー・マネジメント」。そして、これらの間でトップが示した理念やビジョンをロワーに伝達し、目標実現のための戦略を推進する中位層を「ミドル・マネジメント」といいます。
ミドル・マネジメント(以下、ミドル層)の役割は、トップの意思をロワーに伝え、間をつなぐことにあります。しかし、それと同時に、現場からトップへの情報の伝達も重要な役割の一つです。ミドル層は、担当責任者や一般社員の話から現場の状況を把握し、経営層に正確に伝えることが求められています。これにより、トップと現場とのコミュニケーション・ギャップを解消し、意思決定を適切な方向へと導くことができます。ミドル層は、まさに経営層と一般社員を結ぶ、「コミュニケーションの要」と言えるでしょう。
組織の規模が大きくなり、社内体制が複雑になるにつれ、ミドル層は上下間だけでなく部門間の調整役を担うことになります。そのため、深い専門的知識、高い事務処理能力、部下に対するリーダーシップと管理能力、部門間の調整能力など、さまざまな能力が要求されます。
近年、情報化が進み、電子メールで経営層と一般社員が直接情報交換したり、誰でもデータベースから必要な情報を引き出せるようになったりしています。そのため、ミドル層の存在意義が薄くなってきたと言われています。しかし、現場の仕事に精通し、かつ、全社的な視点から事業の進捗などを最も把握しているのはミドル層です。
現在、上場企業を中心にミドル層の人材が不足しています。人材マーケットでは、専門分野を持つプレーヤーでありながらマネジメントの力量も備えるミドル層への需要が高まっています。M&Aや合併など、事業環境が日々変化する中で、組織が最大限の力を発揮し、競争力を高めるには、ミドル層の優劣が大きく影響してきます。今後、企業にとっていかに優秀なミドル層の人材を確保できるかが、重要になってくるでしょう。
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