企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】サラリーマンホウジンカ サラリーマン法人化

会社員が法人成りして自営業者に変わり、会社との雇用契約をいったん白紙に戻して、改めて業務委託契約を結ぶこと。つまり、サラリーマン法人化した「元」社員は、会社での仕事はこれまでと同じまま、契約だけ変えて勤務することになります。会社は、雇用契約した社員=個人に給料を払うのではなく、業務委託した社員=法人に外注費を払うかたちになります。
(2004/10/15掲載)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

サラリーマン法人化のケーススタディ

「法人化」で社員は手取りが増え
会社は人件費削減ができるメリット

中堅出版社で書籍編集部に席を置くAさんの年収は約800万円。しかし厚生年金と健康保険の合計で年収の約2割――160万円ほどが天引きされています。

そのAさん、担当していた単行本の出版を一区切りにして、次の仕事からは「サラリーマン法人」としてやることにしました。仕事の内容も労働条件も同じ、単行本の企画から編集、販促活動までを行い、今までどおりに会社に出社して年収800万円を得ますが、会社との契約を業務委託契約に変えてもらったのです。Aさんは自分ひとりだけが社員の「有限会社A事務所」を設立し、それによって雇用関係はA事務所という「会社」対「会社」(Aさんの勤務先の出版社)ということになりました。

様々な書類提出など会社設立のために1カ月ほどかかりましたが、しかし、これだけのことでAさんの家計はぐっと楽になりました。なぜなら、手取りの収入が増えたからです。年収800万円のサラリーマンから、同じく年収800万円の自営業者となったAさん、国民年金の保険料が年間32万円、国民健康保険は約20万円を負担しなければなりませんが、サラリーマンだったときは年金と保険で160万円も払っていたわけですから、差し引き100万円以上もトクをする結果となりました。

一方、Aさんがサラリーマン法人に変わったことで会社(勤務先の出版社)も大きなメリットを得ました。会社は社員を厚生年金や健康保険に加入させる義務を負い、社員と折半で保険料を支払います。そのために会社は、じつはAさんに年収の約1.5倍、1200万円ほどの給与を支払っていました。Aさんが法人化して国民年金と国民健保に変わったので、会社は保険料負担が大きく減り、人件費に余裕が生まれたのです。

このケースに見るように、サラリーマン法人化というのは社員にも会社にも利点があるアイデアだと言えますが、今のところほとんど普及していません。会社と「正社員」の雇用関係にあるサラリーマンなどはこの不況下、それを業務委託契約に変えるのが不安なのかもしれません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

インディペンデント・コントラクター
サラリーマン時代に身につけた専門的な技術を元手に独立して、業務請負のかたちで複数の会社の仕事をします。アメリカでは、ホワイトカラーが独立するときの手段として一般的になっていますが、日本でも互助団体「インディペンデント・コントラクター協会」(本部・東京都港区 http://www.npo-ic.org...
ぶら下がり社員
「ぶら下がり社員」とは、いわゆる問題社員の類型の一つで、仕事や組織へのコミットが弱く、指示された用件や与えられた仕事はこなす反面、求められる以上の役割はけっして果たそうとしないタイプの社員を指します。目的意識や成長への意欲に欠け、現状維持に安住したがる傾向が強いため、会社や上司には従順ですが、自らが...
スローキャリア
仕事はほどほどに、のんびり会社生活をするという意味ではなく、自分なりの働き方などプロセスやポリシーを重視しながらキャリアを形成していく考え方のこと。会社での出世や報酬の目標に向かって計画的にキャリアアップしていく考え方とは異なります。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授の高橋俊介氏による造語...

関連する記事

薄井ゆうじさん 「新会社法」で起業して成功する社長、失敗する社長
今年5月から新しく「新会社法」が施行され、誰でも資本金1円でも簡単に株式会社がつくれるようになります。しかし、「なぜ会社をつくるのか」「会社をつくるとはどういうことなのか」が、現在ほど問われている時代もないでしょう。薄井さんに改めて、会社をつくるということにつ...
2006/02/06掲載キーパーソンが語る“人と組織”
「働き方改革」の弊害か……見失いたくない転職の目的
働き方改革の重要性が叫ばれる中で、転職の際に「ワークライフバランス」を重視する人が増えている。一年前に人材紹介会社を訪れたAさんもその一人だった。しかし、ワークライフバランスを気にしすぎるがあまり、Aさんは転職活動をはじめた本当の理由を見失ってしまったようで―...
2018/01/05掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
転職先の紹介は早い者勝ち? 激しい紹介会社間の争いとは
転職を希望する人材がインターネットを使って複数の紹介会社にエントリーするのは当たり前の時代。企業側でも、場合によっては数十社もの紹介会社に求人票を送ることがあります。そうなると、ある人材に同じ求人案件が集中するケースは珍しくありません。そこで、求人企業の多くは...
2013/11/01掲載人材採用“ウラ”“オモテ”

関連するキーワード

分類:[ 雇用 ]
管理職のコミュニケーション能力を高める!ソリューション特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

イクメン企業アワード2019エントリー募集中

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


管理職のコミュニケーション能力を高める!ソリューション特集

今求められるコミュニケーション能力・マネジメント能力とは


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


河合塾マナビスが実践 ~ 自立して考え、行動できる社員を育てる仕組みとは?

河合塾マナビスが実践 ~ 自立して考え、行動できる社員を育てる仕組みとは?

大学への現役合格を目指す高校生に、映像による授業を提供している、株式会...


尻込み、指示待ち、評論家……<br />
ひそかに進行する20代社員の“ゆでガエル化”現象とは

尻込み、指示待ち、評論家……
ひそかに進行する20代社員の“ゆでガエル化”現象とは

ゆっくりと進行する危機や環境の変化に対応する難しさを戒めた、いわゆる「...