ケースメソッド
ケースメソッドとは?
ケースメソッドとは、実際に起きた事例を教材として、あらゆる事態に適した最善策を、討議し導き出す教育手法をいいます。社員研修などで実施する企業が増加しており、能力開発や次世代リーダー育成に有効な手法として注目されています。
企業経営の実務を疑似体験
アウトプット力と思考能力の養成に効果的
ケースメソッドは、1920年代に米・ハーバード大学ビジネススクールにおいて開発されました。我が国では、1962年に慶應義塾大学ビジネススクールが同手法を導入したのが最初です。実在する企業経営のなかで生じたさまざまな事例を教材として、問題解決に向け研究・討議を行うものです。思考能力を養うことを目的とした実践的な教育手法として、また、実務応用力を向上させる研修手法として、現在では世界各国のビジネススクールや企業で実施されています。
ケースメソッドは、一般的な教育や研修のように、一方的な講義では享受できない実践的な意思決定能力などを養成することができます。ケースメソッドを取り入れた講義の受講者は、企業の経営層や管理職層が直面した問題事例や、それらに関連する周囲の状況・意見を、当事者の立場で分析・検討し、各々の考えをまとめます。その後、数人のグループを形成し、個々の意見発表を行います。その際には相互の意見を尊重し受け入れることで、問題解決に向け多様な切り口から討議が展開されます。結果、自ずと議論の幅が広がり、事例に適した最善の問題解決策を導き出せるという仕組みになっています。
経営者や実務リーダーに必要な分析力や洞察力、戦略構築力、論理的思考力などは従来の座学ではなく、実務経験や反復訓練によって育まれるものです。例えば、情報漏えいや不適正な人事労務管理、クレーム対応といった企業の行動規範や、コンプライアンス、内部統制、財務管理、不祥事対応などの経営に関わる問題において、ケースメソッドで体験した事例と類似した事態に遭遇したとします。その場合、事例を参考・応用して問題に対し迅速かつ最適な対策を導くことができるという意味で、ケースメソッドはとても効率的な教育手法といえます。
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