ベア・ミニマム・マンデー
ベア・ミニマム・マンデーとは?
「ベア・ミニマム・マンデー(Bare Minimum Mondays)」とは、月曜日には必要最低限の仕事しかしない働き方のこと。週の始まりはゆったりと働き、火曜日以降のために体力・気力を温存しておくライフハックです。月曜のギアを下げてストレスを軽減することで、メンタルヘルスの改善はもちろん、結果的に生産性向上につながるとされています。こころと身体の健康を優先して働く価値観が若者にフィットし、米国のSNSを中心に広まりました。
本当は怖い「月曜日」
ベア・ミニマム・マンデーが理にかなっている理由
「サザエさん症候群」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。日曜日の夕方にテレビから『サザエさん』が流れてくると、休日の終わりと翌日からまた始まる仕事を意識して、憂鬱(ゆううつ)な気持ちになること。これをサザエさん症候群と呼びます。類似の概念で、英語では「ブルー・マンデー(Blue Monday)」という表現があります。
ブルー・マンデーと対比的な概念として現れたのが「ベア・ミニマム・マンデー」です。メールの返信をする、請求書を処理するなど、月曜日は負荷の少ない仕事から始めることで、休日と平日の落差が緩やかになり、心身への負担が小さくなるという考え方です。
この「月曜日は必要最低限の仕事だけ」というライフハックは、米国のSNSで共感を巻き起こし、議論も呼びました。ただのサボりだと一蹴する人もいれば、サステナブルに働くためのセルフケアの一種だと捉える人もいます。
月曜日にかかるストレスは、実際にさまざまな問題を引き起こしています。例えば、アイルランドの患者データを分析した英国の研究により、心筋梗塞が最も多く発生する曜日は月曜日であることが分かりました。また、日本における自殺者数は男女ともに月曜日が最多となっています。精神的にも肉体的にもストレスが大きい月曜日を、「たかが仕事始め」と侮ってはいけないのです。
デロイトトーマツグループの調査によると、8割近い労働者が現在の職場で燃え尽き症候群を経験し、9割はストレスを抱えて生産性が低下したことがあると答えています。「ベア・ミニマム・マンデー」を取り入れることで燃え尽き症候群を防ぎ、求職者や退職者を減らすことができるのであれば、企業にとっても合理的な働き方と言えるかもしれません。
画一的な働き方しかなかった時代のマッチョな働き方の陰では、メンタル不調をきたしたり、個性にふたをして成果を上げきれなかったりと、少なからず個人が犠牲になってきました。働き方の多様化は、いろいろな特性・事情を持つ人がパフォーマンスを発揮するために必要な施策なのです。
参考:
Deadly heart attacks are more common on a Monday|アイルランド王立外科医大学
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