三角合併
三角合併とは?
2007年5月1日に解禁された法律で、親会社が子会社を通じて別の会社を吸収合併する手法です。組織再編に買収側の親・子会社と買収対象会社の三者がかかわるため、三角合併と呼ばれます。合併される側の株主は、その対価として相手の親会社の株式を受け取ります。外国企業が日本企業を買収する場合、日本に設立した外国企業の子会社と日本企業を合併させ、日本企業の株主に外国企業の株式を割り当てます。
日本経済の活性化に期待する一方、
企業の約46%が敵対的買収を懸念
昨年施行した会社法の目玉とされながら、経済界の反発を受けて先送りされていた三角合併を今回認めたのは、海外からの対日直接投資を増やし、日本経済を活性化する狙いがあるためです。外国企業が日本企業に対しM&Aを行う場合は、TOBなどの方法がありますが、三角合併を行えば日本企業を100%子会社化することができます。経済界が反発していたのは、こうした外資による敵対的買収を懸念したからです。
政府は外国企業が日本企業の株式を10%以上取得する際に必要な事前届出の対象分野の範囲を拡大し、安全保障・技術流出の両方の保護策を表明しました。
この他にも、外国企業が三角合併を行うには厳格な情報開示が求められています。外国の非上場企業は日本での知名度は皆無に等しく、どんな会社であるのか、企業価値はどの程度あるのかなど、株主が知りたい情報は多岐に渡ります。そのため、外国企業は事業や財務状況、株価の動向に加え、上場している証券市場・証券会社の情報や定款、議決権総数などを日本語によって開示することが義務付けられています。
日本企業と外国企業双方の日本における組織再編の選択肢を増やし、企業競争力を向上させるといった前向きな見方もあります。また、合併される会社の取締役会の賛同を経て、株主総会でも3分の2以上の賛成が必要という条件があるため、三角合併が敵対的買収に使われにくいという意見もあります。日本企業がグローバル化を目指していくには、三角合併を利用し世界のトップ企業の傘下に入ることも有効かもしれません。さまざまな相乗効果がもたらされ、未知なる成功を手にする可能性もあります。
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