アスピレーション
アスピレーションとは?
「アスピレーション(Aspiration)」とは、日本語では「熱望」「願望」「大志」と訳され、ビジネスにおいて自分が成し遂げたい事柄に対する強い思いや向上心という意味合いで使われます。従来の日本企業では、従業員は受け身でいても会社が成長機会を用意してくれていました。しかし、現在は従業員自身が自律性を持つことが求められるようになり、アスピレーションを表明することの重要性が高まっています。
今、求められるアスピレーション
志を持つ社員は日本企業を変えるか
仕事は必ずしも「好きなこと」である必要はありませんが、アスピレーション、つまり「志」を持って働くことの重要性が高まっています。
書籍『アスピレーション時代の経営』の著者であるオールアバウト代表の江幡哲也さんは、起業家には四つのタイプがあるといいます。一つ目は、世の中を変えたいという大義を持つ「アスピレーションタイプ」。二つ目は、市場を俯瞰して、フレームワークを使いながら事業を成長させていく「コンサルタントタイプ」。三つ目は、社長になりたいといった野心を持つ「野心家タイプ」。四つ目は、好きなことを追求する「ものづくりタイプ」です。どのタイプが成功しやすいといった偏重はありませんが、事業に熱中できるほどの強い思いがあることが大切です。
アスピレーションが求められるのは起業家だけではありません。ビジネスパーソンも、アスピレーションを持っている人にチャンスが巡ってくる時代です。かつては会社側が従業員の配置や能力開発を担っていたため、アスピレーションを持つことでかえって煙たがられたこともありました。
しかし、産業構造が変わった現在は、モノを作れば売れる時代は終わりました。個人が持つ情熱や志が、事業にとっても大きな意味を持つようになったのです。アスピレーションを持ち、その実現にコミットすることで、仲間が増え、それが世の中を大きく変えることにもつながります。
採用や昇進の際にも、個人が持つアスピレーションを評価する企業は増えてきました。結局のところ、根本の部分に実現したいものがあると困難を乗り越えることができ、失敗したとしてもまた立ち上がることができるのです。
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・参考
『アスピレーション経営の時代』(講談社)
志をカタチにする「アスピレーション型」新規事業の作り方~前編(About All About)
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