ファンド
ファンドとは?
複数の投資家や個人から資金を集めて運用する投資基金のこと。企業、商品、不動産などに投資し、高い利回りを達成することを目的としています。
リスク覚悟で年率20〜30%以上の
利回りを狙う投資基金
ファンドは投資する対象によっていくつかのタイプに分類できます。株式や債券に投資するヘッジファンド、業績不振企業を再生させることで利益を得るバイアウトファンド、未公開企業を中心に投資するプライベート・エクイティ・ファンド、金属、原油、農産物など先物市場に投資する商品ファンド、土地や建物などに投資する不動産ファンドなどがあります。また不良債権や倒産企業などを安値で買い叩き、短期間に高値で売り抜けるファンドを、屍肉に群がる鳥にたとえて「ハゲタカ」と呼ぶこともあります。
ファンドに出資しているのは、主として国内外の金融機関や生損保会社、証券会社、年金基金、事業法人などです。また見かけは外資ファンドであっても、実際にお金を出しているのは国内の投資家という場合も少なくありません。ファンドの資金規模は銀行借り入れを組み合わせることで軽く2倍、3倍に膨れ上がります。大半のファンドは一定期間内で運用実績を上げる必要があり、年率20〜30%以上の利回りを目標としているところが多いようです。その儲けの一部が資金運用を手がけたファンドマネジャーに支払われます。
阪神電鉄の筆頭株主に躍り出た村上ファンドは、通産官僚出身の村上世彰氏が率いる投資ファンドの総称で、資産規模4000億円、85%が海外からの流入投資資金と言われています。その手法は、保有資産や利益水準に比べて株価が著しく低い企業の大株主となり、配当増額や経営改善などを要求して具体案を提示、企業価値を向上させたうえで高く売るというものです。必要に応じて株主総会の議決権を行使し、経営陣との対決も辞さないことから「モノ言う株主」とも呼ばれています。
もちろんすべてのファンドか高い投資利回りを達成できるわけではありません。預金などと違ってファンドには損失を被る危険(リスク)も伴います。リスクがあればこそ、高い投資利回りを期待できるわけです。米投資ファンドのリップルウッド・ホールディングス(現RHJインターナショナル)は、リスクを抱えた新生銀行(旧日本長期信用銀行)を買収、4年後に同社の株式を上場して2890億円の株式売却益を得ました。これからの10年間で玉石混淆のファンドの淘汰が進むと言われています。
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