シェアド・リーダーシップ
シェアド・リーダーシップとは?
「シェアド・リーダーシップ(shared leadership)」とは、職場やチームのメンバー全員がリーダーシップを発揮することを指します。リーダーシップとは、組織やチームの目標を達成するために必要な、他のメンバーに与える影響力のこと。一般的に「経営層やマネジャーといった権限保持者に必要な素養」と考えられがちですが、そうではありません。ビジネス環境の変化が激しくなる今、組織の力を高めるために、一人ひとりがリーダーシップを持って活躍できる環境づくりが求められています。
マネジメント経験のない社員が
リーダーシップを発揮するには
「リーダーシップ」という言葉から、何を連想しますか。周囲を巻き込んだり、指示したりする人を思い浮かべる人が多いかもしれません。あるいは、管理職などの「役職」をイメージする人もいるでしょう。
しかし近年、こうした権力集中型のリーダーシップのあり方が見直されています。「他のメンバーに与える影響力」は、一部の人や役割に限られたものではありません。例えば、声の小さい人に声をかけて、プラスの気持ちになれるように働きかける。困っている人がいれば、サポートしてあげる。これらも影響力の一つであり、リーダーシップと呼ぶことができます。つまり、誰もがメンバーに影響を与え、リーダーシップを発揮することができるのです。シェアド・リーダーシップに関する研究によると、こうしたさまざまなメンバーを巻き込んだリーダーシップを実現することで、従来型のリーダーシップよりも職場の成果が高くなることが分かっています。
それでは、職場でシェアド・リーダーシップを発揮するにはどうすればいいのでしょうか。書籍『シェアド・リーダーシップ チーム全員の影響力が職場を強くする』の著者である立教大学経営学部教授の石川淳氏によると、ポジションに関わらないリーダーシップに必要なのは、「全体を見渡す力」。「マネジャーにならないとリーダーシップが身に付かない」といわれることもありますが、これは全体感を把握できているか、部分的な自分の仕事しか見えていないかという点に違いがあります。つまり管理職でないメンバーでも、全体的な視点を意識することで、管理職になる前にリーダーシップを育むことができるのです。
また、シェアド・リーダーシップを発揮するために、もう一つ大切なことがあります。それは、リーダーシップに対する自分なりの持論・信念を持っていること。それにもとづいてリーダーシップを発揮しながら、「こうしたらいいのでは」と仮説と検証を繰り返していくことによって、持論がアップデートされます。その結果、リーダーシップは鍛えられていくのです。
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