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『日本の人事部』HRクラブ 開催レポート

【第16回テーマ】

「ミドルマネージャーの交流の場をつくる」
富士通マーケティングのミドル育成・活性化の取り組み

2012年2月24日(金)に、第16回『日本の人事部』HRクラブを開催いたしました。

今回のゲストは、株式会社富士通マーケティング 取締役兼執行役員常務の飯島健太郎氏。前半は、同社の「Coaching Ourselves」の導入の経緯や、実際の取り組み状況についてご説明いただきました。後半は参加者から飯島氏への質問コーナーのほか、数名ずつのグループに分かれたディスカッションを実施。今回も、活発な意見交換が行われました。本レポートでは、当日の模様をダイジェスト形式でご紹介いたします。

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【第16回 開催概要】

■ テーマ
「ミドルマネージャーの交流の場をつくる」
富士通マーケティングのミドル育成・活性化の取り組み
■ 開催日時
2012年2月24日(金) 18:30~20:30
■ ゲストスピーカー
株式会社富士通マーケティング 取締役兼執行役員常務 飯島健太郎氏

<飯島健太郎氏 プロフィール>(いいじま けんたろう)1977年富士通株式会社入社。同社人事勤労部長を経て、同社ビジネスマネジメント本部副本部長、株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ常務取締役を経て、2009年より現職。
1998年カナダのマギル大学より経営学修士号を取得、2003年イギリスのエクセター大学ビジネススクールアドバイザリーボードメンバー就任。

ミドルマネージャーの強化が企業の活力になる

講演はまず、富士通マーケティングの会社概要、人事制度・教育体系などに関する説明からスタート。その上で、同社が導入している「Coaching Ourselves」について、詳しく解説していただきました。「Coaching Ourselves」とは、国際的に著名な組織論・経営論学の研究者である、ヘンリー・ミンツバーグ氏が提唱する、「自らの経験を題材に実践と学びを融合させた、ミドルマネージャー向けのマネジメント研修」。同社では、2008年11月から研修を導入したそうです。

当時、同社ではミドルマネージャーのマネジメント力の向上が課題になっており、経営理論に加えて、内省を軸に、自己、他者の経験から学ぶ「Coaching Ourselves」のスタイルは、現場のミドルにもなじみやすく、効果があると判断し、導入を決めたとのことでした。また、当時は各部門がビジネスで連携することが少なかったため、各組織から受講者を選ぶことで、組織間交流の促進を図ること、短時間で効率的に経営学のエッセンスを学ぶことは、現場のミドルが視野を広げる大変良い機会だとも考えたそうです。実際、研修を実施したことは、大きな成果へと繋がりました。

『Coaching Ourselves』とは Coaching Ourselvesの構成

部長、課長職を中心に実施し、これまでの3年間で全幹部社員の約2割が参加。研修により、受講者は多くの気づきを得て、それが組織へと波及し、職場の活性化や組織間の連携の強化へと繋がったとのこと。「ミドルマネージャーを強化することが、職場および企業の活力になる」ということが、大変よく理解できた講演でした。

参加者が考える「ミドルマネージャー」に関する課題とは?

続く第2部では、飯島氏への質問コーナーと、3~4人ずつのグループによるディスカッションを実施。また、ディスカッション終了後には、それぞれのグループの代表が、ディスカッションの内容について発表しました。ここでは、ディスカッションの中から、特に印象深かった意見をいくつかピックアップします。

  • ミドルマネージャーは孤独な立場にいると思う。上からも下からもつつかれるが、ミドルマネージャー同士の横のつながりは希薄。例えば、お互いの失敗談を共有する場などがあれば良いと思う。
  • 部下育成の経験が不足しているミドルマネージャーは多い。かつての採用抑制などが原因だが、部下の育成も大事な仕事であることを改めて理解してもらう必要がある。
  • これまで、部下のマネジメントを行ってこなかった人が、いきなり人材育成に取り組むことは難しいもの。多くの人が情報共有の場を求めている。社内にSNSなどを設け、効果的に運用できればよいと思う。

Photo今回も幅広い業種、キャリアの方々が参加されましたが、他の企業の人事担当者の方と、悩みや課題、そのための対策などをシェアできたことは、大きなプラスとなったようです。「HRクラブ」終了後は、今回も懇親会を実施。引続き、さまざまな課題に関する熱い議論が展開されました。

次回の「HRクラブ」にも、どうぞご期待ください!


【参加者の声】

≪講演の感想≫

  • マネジメントについてこれだけ深く掘り下げるセッションがあるということが、大変参考になりました。(長瀬産業株式会社/梁田 茂様)
  • 当社にも同様の背景があり、同様の課題を抱えているので、お話の内容に実感がありました。当社でも長期型のプロジェクト研修を行っていますが、新しい発見が多数ありました。教育の効果測定の話も興味深かったです。(水ing株式会社/草薙義弘様)
  • 当社でも連携強化のための場作りを始めたところなので、短時間でも繰り返し開催することで生れる効果など、具体的な事例が参考になりました。(情報処理/経営企画担当)
  • 「Coaching Ourselves」の自走式の展開という点が、当社には経験のない新しい取り組みであり、とても興味深かった。(電気/人材開発担当)
  • 「知る→理解する→実践する」が、30回の研修の中で行われ、且つコミュニティーを作れる点が非常に素晴らしいと思いました。テーマを変えて、自社でも行ってみたいと思いました。(サービス/人事企画、採用、人材開発担当)

≪ディスカッションの感想≫

  • 悩みを共有し、解決に向けたヒントを得ることができました。(電気/人材開発担当)
  • 他業種の企業の取り組みについて聴くことができ、大変勉強になりました。(販売・小売/人事企画、賃金担当)
  • どの企業でも、ミドルマネージャーの育成が課題になっていることを再認識できました。(電機/人事担当)

【HRクラブ第17回開催のご案内】

第17回は、2012年3月22日(木)18:30から、ゲストに富士ゼロックス株式会社 CSR部 企画グループ グループ長 野村浩一氏をお迎えして開催する予定です。テーマは「大震災から1年。震災復興に企業としてどう取り組むか。~企業のCSRに人事が果たすべき役割とは?富士ゼロックス株式会社の事例に学ぶ~」。参加ご希望の方は、下記から開催概要をご確認の上、お申込みください。皆さまのご参加をお待ちしております!