「精神障がい者」の雇用数は10年で4倍。今後はどうなる?
採用活動において、採用市場の動向を把握することは大切です。
それは、障がいのある方の採用活動においても同様といえるでしょう。
そこで今回は、厚生労働省発表の「令和3年の障害者雇用状況」をもとに、
現在の障がい者雇用市場の状況をお伝えいたします。
※本記事は、弊社発行資料の一部を抜粋したものになります。
本記事の下部にございます資料、またはセミナーより詳細をご確認をいただけます。
▼民間企業の実雇用率は過去最高の2.2%をマーク
昨今、企業の障がい者雇用は進んでいるといわれています。
厚生労働省における2021年度での調査では、民間企業の実雇用率は2.2%であるとわかりました。
前年(2020年)からは0.5ポイントの増加となり、過去最高の数値です。
また、弊社が今年7月に企業の人事担当者の方に向けて行ったアンケート調査によれば、
回答いただいた企業の6割以上が、障害者法定雇用率を達成していました。
※民間企業の場合、2.3%。(2022年10月現在)
これらの調査結果から、障がいのある方の雇用は毎年促進されていることがわかります。
しかし、障がい区分ごとにみると、進み具合は一定ではありません。
▼知的・精神の方の雇用数が増加傾向にある
厚生労働省の調査によると、雇用されている障がいのある方の数は59万7.786人(2021年)で、
これは、前年比1万9,494人の増加となります。
また、雇用者数は18年連続で増加傾向にあります。
3つの障がい区分でみたときの、雇用者数の内訳は下記の通りです。
・身体障がい者 359,067.5人 (対前年比0.8%増)
・知的障がい者 140,665.0人 (対前年比4.8%増)
・精神障がい者 98,053.0人(対前年比11.4%増)
いずれも前年より増加していますが、「身体障がい者」の採用はここ数年で見ると横ばいの状況、
企業の採用活動のターゲットは「知的障がい者」「精神障がい者」へ移行していることがわかります。
そのなかでも、特に「精神障がい者」の雇用数が顕著に伸びています。
▼「精神障がい者」の雇用数は10年で4倍強
加えて、ハローワークの職業紹介状況においても、
精神障がい者の雇用数が特に増えていることを示しています。
厚生労働省が発表している「障害者の職業紹介状況等」を基に、
就職件数を比較してみると、この傾向がより顕著に表れています。
この調査によると、障がいのある方の就職件数は、2009年度から2019年度の10年間で、
全体として約2.3倍に増加しています。
これを障がい別でみた場合、増加量は下記の通りです。
・身体障がい者 22,172件(2009)→25,484件(2019)(約1.15倍)
・知的障がい者 11,440件(2009)→21,899件(2019)(約2倍)
・精神障がい者 10,929件(2009)→46,612件(2019)(約4.5倍)
2009年度時点では、その年の職業紹介件数の約4分の1であった「精神障がい者」は、
この10年間で、全体の職業紹介件数のうちの半数を占めるようになっています。
▼まとめ
近年、企業の障がい者雇用は進んでいますが、その進み具合には、
障がいの特性に応じた違いがみられます。
「身体障がい者」の雇用の増加率は低く、
「知的障がい者」「精神障がい者」の雇用が拡大傾向にあり、
特に「精神障がい者」の雇用の伸びは顕著になっています。
その理由としては、精神障がいのある方が2018年4月に雇用義務化の対象に加えられたことや、
企業の障がい者雇用が進み、身体に障がいのある方の採用が難しくなっていること、
精神障がいのある方の就職希望が増えてきていることなどが考えられます。
今後、企業が障がい者雇用を進める上では、
適切な業務の切り出しや、サポート体制の見直しなど、
障がいの特性に応じた採用前に必要な準備を進めることが大切になってきます。
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