需要の高まる精神障がい者①
厚生労働省が発表した調査結果によると、2017年現在、民間企業での
雇用障がい者数、実雇用率ともに過去最高を更新しています。
雇用障がい者数495,795人(対前年4.5%増)、
実雇用率1.97%(対前年比0.05ポイント増)となり、
法定雇用率達成企業の割合は50.0%と、前年より1.2ポイント上昇しました。
厚生労働省の調べ(2018)では、日本における障がい者の総数は7,113,677人です。
その中でも、精神障がい者数は921,022人となり、全障がい者数の約13%を占めます。
かつては、障がい者雇用といえば、身体障がい者の雇用が大半でしたが、
ここ数年の障がい者数の変移をみていると、これからはその他の障がいをもつ
人々の活躍が期待されていることが分かります。
厚生労働省の調べ(2011、2016)では、2011年から2016年にかけて、
身体障がい者の中でも18歳から64歳の(いわば生産年齢人口の範囲内の)数は
身体障がい者全体の28.7%から23.6%へと、5%以上減少しています。
同様に、知的障がい者の中の18歳から64歳の数は、その総数において
65.6%から60.3%へと、こちらも5%以上減少しています。
これは、日本全体の生産年齢人口が年々減少していることに影響を受けている
と推察されますが、精神障がい者の推移をみると、減少度合いが穏やかです。
精神障がい者の中でも18歳から64歳の数は、その総数において
71.9%から69.0%へと、約2%の減少にとどまっています。
つまり、日本において、いわば‘働く世代’の障がい者のなかでは、精神障がい者
が占める割合が年々増加してきているということになります。
次回のコラムでは、精神障がい者の離職率の高さについて、説明していきます。
参考資料:
・厚生労働省(2011)生活のしづらさなどに関する調査
・厚生労働省(2016)生活のしづらさなどに関する調査
・厚生労働省(2017)平成29年 障害者雇用状況の集計結果
・厚生労働省(2018)労働市場分析レポート 障害種別、年齢別のハローワークにおける雇用状況について
- 安全衛生・メンタルヘルス
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公認心理師/臨床心理士
【専門領域】障がい者雇用の企業支援、精神障がい者の採用・定着・育成支援
精神科クリニックのディケア、小児専門クリニックでのアセスメント、公立学校でのスクールカウンセリングの研修を経験。その後、加えて教育現場でソーシャルワーカーとして事業に携わっていた。そのほか、私設カウンセリング室にてカウンセリング業務に従事。
種市 冴美(タネイチ サエミ) コラボレーター
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所在地 | 渋谷区 |