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ワールドカップを満喫する部下への「粋な対応」に潜む問題とは

"Dear my Boss 

Thank you for  My 2 WEEK OFF!"

 

休暇をとってカタールでワールドカップ観戦中の社員が掲げるメッセージと社員本人の写真がFIFA Worldの公式Twitterアカウント(フォロワーは1,100万人)に掲載され、それにこたえる形で、その社員の所属企業と思われる日本企業(本稿では特定の企業を批判する目的ではないため、企業名は控える)の公式Twitterアカウントより以下の投稿があった。

 

”Please enjoy your vacation and the World Cup!

From your boss”

 

このやりとりはメディアやTwitter等で好意的に取り上げられており、「2週間も休暇がとれるいい会社だ」「ほほえましい」「企業イメージ向上に貢献した」などの論調がある。一方でグローバル組織・人事の専門家として、このやりとりの裏にどのような危険が潜んでいるかというリスクマネジメントの観点からいくつか指摘をしておきたい。

 

・まず衆人環視の元でのやり取りにより、写真の男性がその日本を代表する企業で働いており、現在2週間の休暇を取りカタールにいるということが分かる(少し調べれば、おそらく本人の氏名をはじめとした個人情報も特定できるだろう)。

 

・彼の所属企業は日本を代表する大手企業であることから、自分の所属を不特定多数に開示することにより強盗・身代金目的ならびに政治的な目的での誘拐などの恰好のターゲットとされかねない

 

・たとえその男性が実際に誘拐されないとしても、最近ではオレオレ詐欺の誘拐版である「バーチャル誘拐」がある。これは実際に誘拐されていなくても、犯罪者が「本人を誘拐した」と主張し、所属企業や家族にコンタクトを取り、身代金を要求する、というものである(例えば飛行機で移動中など本人とコンタクトの取れないタイミングを狙う)。

 

・なお、テロ等の攻撃目標としてはハードターゲットと言われる軍事施設や政府機関以外に、空港や大規模イベントなどソフトターゲットも対象となっており、ワールドカップはその最たるものである。また、ワールドカップは特に国家・民族意識が強く発露される場であり、例えば海外拠点の従業員食堂で多国籍の従業員がTV観戦している際に、出身国の違うワーカー同士がぶつかり合う、というような事例も報告されている。

 

・そもそもの前提として、旅先での写真をその場でアップすることは、自身が不在にしていることを周知されてしまうため、留守宅の防犯上、避けた方がよい。

 

外務省の海外安全三原則に「目立たない」「行動を予知されない」「用心を怠らない」というものがあるが、この原則に照らし合わせると、このやりとりはあまりにも不用心と言わざる負えないだろう。

 

お祭りムードに水を差すのは本意ではないが、社員が事件に巻き込まれたり最悪の事態になったりしてからではもはや手遅れである。企業のすべきことは国内外問わず、自社社員と関係者の安全を確保することであり、リスクにさらすことではない。広報的な観点からは別の判断があるのだろうが、リスクマネジメントの観点から見ると、この男性が(今回の2週間の休暇以降も)事件に巻き込まれる可能性を考えると、企業の公式アカウントから”Boss”がこのような不用心なツイートをすべきではない、という判断になる。

 

国内外問わず、また情報漏洩や炎上というレピュテーションリスクだけでなく、SNSとの付き合い方は、広くリスクマネジメントと関わっているという点についてご参考にしていただければ幸いである。

  • 人材採用
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次世代リーダー育成をはじめ世界で通用する人づくり、組織づくりをテーマに活動。グローバル経営、外国籍社員の活用/ダイバーシティマネジメント等。

「企業と人材」「賃金事情」「人事実務」「労政時報」「人事マネジメント」「グローバル経営」寄稿、「外国人社員の証言 日本の会社40の弱点」(文藝春秋)。政府会議有識者、大学講師、防災士、富士スピードウェイ走行ライセンス取得、グリーフケア勉強中

小平達也(コダイラタツヤ) 株式会社グローバル人材戦略研究所

小平達也
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所在地 港区

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