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現在実施している研修の成果を2倍にするためのちょっとした工夫

前回のコラムでは、受講者やその関係者から「研修のおかげで成果が出た」と言ってもらうことの難しさについて考えてみました。今回のテーマは、研修で学んだことを少しでも実行に移してもらうための工夫です。

受講者が研修を受けてから成果を出すまでのプロセス (前回コラムより)

次の(1)~(5)は、課題解決の研修を通して受講者がたどっていくプロセスです。( )内は各プロセスのアウトプットです。

 (1) 研修の内容が自分にとって何か役に立ちそうだと思う (期待感)
 (2) 研修で学んだ手法を使ってみたいテーマが思い浮かぶ (自らの学習目的)
 (3) テーマへの手法の活用方法が具体的になる (具体的な活用方法)
 (4) 具体化した活用方法を実行しようと思う (実行意欲)
 (5) 実行によって手法の効果を実感し、その手法を自分のものにする (成果と習得)

前回のコラムでは、実戦的なテーマを設定して実行する“アクションラーニング”の有効性について触れました。(5)の段階までを研修の範囲に取り入れてしまうことで、高い学習効果が期待できるからです。しかし、このような研修を設計、実施、フォローするのはとても大変です。今実施している研修の内容を大きく変えずに、少しでも研修で学んだことを実行するように促すためのちょっとした工夫を2つご紹介します。

工夫1:研修に対する期待と感想を引き出しながら、受講者のテーマ設定を促進する工夫

研修の冒頭に受講者の期待を具体化することが大切です。具体的には、研修の概要を紹介した後、「今回の研修内容をどのような仕事に活かしたいですか?」「その際に特に吸収したいことはありますか?」といった具合に、“受講生にとっての目的”を明文化していきます。

そして、研修後のアンケートでは、“受講者にとっての目的”をもとに研修を評価してもらいます。例えば、次のような質問となります。

 【Q1】 今回の研修で習得した手法を、どのようなことに活用しようと思いましたか? ※自由回答
 【Q2】 手法を活用する上で、今回の研修の内容は参考になりましたか? ※4択など
 【Q3】 どのようなことが参考になりましたか? ※Q2で参考になったという人への自由回答

いきなり、【Q2】を質問するようなアンケートを目にすることがあります。しかし、人事主催の研修に対して、「参考にならなかった」と回答する受講生はあまりいません。「せっかく開催してもらったのに申し訳ない」「評価に響くかもしれない」といった気持ちになるからです。

工夫2:上司を巻き込みながら、適切なテーマ設定と周囲からのフォローを促進する工夫

工夫をもう1つ。受講者の上司に対してアンケートを実施します。研修の前に、研修の目的、内容、日程・スケジュールといった概要を明記した上で、次のように質問します。

 【Q1】 今回の研修の中で、受講者に特に学んでほしいことは何ですか? ※選択肢を設定
 【Q2】 【Q1】で学んだことを、どのようなことに活用してもらいたいですか? ※自由回答

この2つの質問だけで十分です。このような事前アンケートから得られる情報は、講師にとって大変貴重なものです。受講者が適切な学習目的を設定できるように促せるだけでなく、受講者にとって参考になりそうな事例を紹介できます。また、上司と受講者の間で、研修についての会話も交わされるようになり、研修で学んだことの実行につながっていきます。

具体的な活用内容についての情報を蓄積していく

これら2つの工夫によって、先に紹介した受講者が研修を受けてから成果を出すまでのプロセスにおいて、(3)の段階の活用方法の具体化や、(4)の段階の実行意欲の助けになります。また、上司と部下の立場による活用内容の違いは、今後の研修企画の材料になります。何年も実施する研修であれば、受講者及び上司が回答した研修の活用内容に関する情報を蓄積していくとよいでしょう。ゆとり世代の問題が騒がれつつありますが、上司と部下の意識差が見えてくるかもしれません。

(次回は、『成果を出す人材かどうかを10分で見分ける方法』をご紹介する予定です)

  • 経営戦略・経営管理
  • リーダーシップ
  • マネジメント
  • コーチング・ファシリテーション
  • ロジカルシンキング・課題解決

リーダー達が、自社の変革活動を進め、着実に成果を出しながら、次のステージへと成長していくために、パートナーとして支援する“変革コーチ”です。

豊富な改革支援の経験をもとに、既存事業の強化や新規事業の立ち上げといったテーマを題材として、「適切な課題設定」「効率的な課題解決」「適度なイノベーションによる新事業の創造」「ビジネスモデルの構築」などを実践できる力を身につけていただけます

大國 仁(オオクニ ジン) 株式会社ACWパートナーズ 代表パートナー

大國 仁
対応エリア 全国
所在地 千代田区

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