調査速報!日本の従業員エンゲージメントの状態は?Vol.2
昨年大きな反響を呼んだ、全国1万人を対象とした従業員エンゲージメント全国調査。
2023年に引き続き、2024年も株式会社アジャイルHRと株式会社インテージが共同開発し、東京大学医学系研究科の川上憲人特任教授と共同研究を行った「A&Iエンゲージメント標準調査」を利用して、全国調査を実施しました。
コロナの制約が外れたこの1年間の従業員エンゲージメントの変化は、どうなったのか?数回に分けて、速報レポートをお届けします。(前回のコラムは https://jinjibu.jp/spcl/keiji-matsuoka/cl/detl/5400/ よりご覧いただけます。)
前回のコラムでは、本調査の目的と、構成要素と影響要因それぞれの視点から、日本の従業員エンゲージメントの低い理由を解説しました。
今回のコラムからは、日本の従業員エンゲージメントを低下させている各セグメントの詳細について解説をします。
■年代:組織コミットメントが希薄な40歳代と50歳代
まずは各年代別の数値をみてみましょう。(図2)
この図から分かるように、40歳代と50歳代の組織コミットメントの低さが目立っています。
20歳代から30歳代、40歳代と年を重ねるにつれて、会社への愛着は低下しています。
一方で、60歳代以上の従業員エンゲージメントはすべての年代の中でもっとも高くなっています。シニア層のモチベーションを懸念する声がしばしば聞かれますが、60歳代以上に関しては、元気に働くシニアの姿がイメージされます。
■職種:上層部と現場の体感温度に大きな差、派遣社員の低い従業員エンゲージメント
次に、職種による違いを見て見ましょう。(図3)
会社員に関しては、役職が高まるにつれて従業員エンゲージメントが高まる傾向にあり、一般社員と役員との間には大きな差があります。
上層部と現場の体感温度が異なっていることが推測されます。
すべての職種のうち、派遣社員の従業員エンゲージメント低さが目立っています。派遣社員という特性により、特に組織コミットメントのスコアが低く現れています。
エンゲージメントの数値は、実際に経営者や人事が感じていることが数値にそのままでることがあれば、年代別のシニア層の数値のように、実際のイメージとは異なることもあります。
エンゲージメントサーベイの数値は定量的なデータであり、それらからは以下のようなことが分かります。
- どの組織に課題があるのか、可視化される
- 設問項目ごとの課題の有無が分かる
- 改善した・悪化した等の変化が見える
一方で、数値からは以下のようなことは見えてきません。
- その課題の原因になっている事象課題を解決できない理由
- 課題を解決できない理由
- どのように改善したいのか?という現場の思い
エンゲージメント向上のためには、数値から見えてこないこれらのことをしっかり把握した上で、「現場をおいてけぼり」にしない取組みを検討することが重要になります。
次回のコラムでは、業種、従業員規模の切り口でみた、エンゲージメントの数値を解説します。
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日本において、1on1とOKRを含む、パフォーマンスマネジメントの重要性をいち早く唱え、多くの企業の経営者と共にマネジメント改革に携わる。
東京大学法学部卒業後、アクセンチュアにて、人と組織の変革を担当するチェンジマネジメントグループの立ち上げに参画。同社のヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナー、エグゼクティブコミッティメンバーを歴任後、アジャイルHRを設立。
松丘啓司(マツオカケイジ) 株式会社アジャイルHR 代表取締役社長
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 港区 |
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