給与制度をシンプルにする設計の3要素
いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
これまで、従来の人事制度の根本原理である「アメとムチ」を捨てた
逆発想の人事制度の3つのポイントをお伝えしました。
1.等級制度をなくす
2.評価と給与を分離する
3.キャリア開発制度を中心に据える
前回は、2つ目のポイントである「評価と給与の分離」について
少しだけお伝えしました。
今回は、いよいよ、評価と給与が分離した人事制度の概要を
お伝えしていきます。
まず疑問に思われるのは、
「どうやって給料を決めるの?」
ということではないかと思います。
当然ながら評価以外の基準によって決めることになり、
次の3つの要素を総合考慮して設定します。
●給与制度設計の3つの要素
1.社員が安心して暮らせる給与水準
2.業界における給与相場感
3.会社の支払い能力(財務状態)
給与制度を設計する時の大前提ですが、
新しい人事制度によって月例給与を「減額」することは
出来る限り避けるべきです。
これを大前提として、3つの要素によって給与制度を設計します。
1番目の「社員が安心して暮らせる給与水準」については、
当然ながら、“普通に”暮らせる給与水準を確保することです。
それに加え、結婚や子育て、介護などによる支出増加によって、
社員が安心して暮らせなくなる事態を回避することを考慮に入れて
給与体系を設計します。
2番目の「業界における給与相場感」については、
業界の給与相場がありますので、それを基に水準を決めます。
3番目の「会社の支払い能力」も、給与制度を設計する時には
大変重要です。
しかし、仮に財務基盤が脆弱であったとしても、
一人ひとりの月例給与額を大幅に減額することは、
社員の生活を脅かすことになりますので避けるべきです。
したがって実際には、採用や賞与によって
人件費負担と財務基盤強化のバランスを図ることになります。
給与制度の骨子は以上の通りです。評価と給与を分離すると、
拍子抜けするぐらいにシンプルにできます。
私は当社の考え方を「CSR型給与制度」と呼んでいますが、
給与制度を「安心の提供」のために設計し、
動機づけの道具に使わないことで、劇的にシンプルになるのです。
「給与」というものはそもそも、
不満は生み出すが長期的なモチベーションは生み出さないという
非常に難しい存在です。
給与制度をいくら工夫を重ねて構築したとしても、
不満がゼロになることはありませんし、
社員のモチベーションが目に見えて高まることもありません。
給与制度の目的を「安心の提供」に絞って、
シンプルにすることで、社員からも理解しやすくなります。
次回は、「評価」と「給与」を分離したときに、
「評価」をどのように活用していくかについてお伝えします。
生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔
- モチベーション・組織活性化
- 労務・賃金
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- その他
生きがいラボは、新たなカタチの人事制度である「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを行っています。
アメリカのグローバル企業が導入を進めている人事制度である「ノーレイティング」。日本で広く認知される前の2010年から、点数づけや格づけ、正規分布調整などを廃止した「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを展開しています。
福留 幸輔(フクトメ コウスケ) 代表取締役
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