人事制度の常識を根本から見直そう!
私はかなり以前から、人事制度のコンサルティングに携わりながら、
ある疑問を持ち続けていました。
それは...
「なぜ 人事制度の多くが 社員さんのやる気向上に貢献しないのか?」
という疑問でした。
私がその疑問を持つようになったきっかけは、あまりにも
「せっかく人事制度を作ったのに社員のやる気が上がっていない」
というご相談が多かったからです。
有名なコンサルティングファームに高額の報酬を支払い、
なおかつ人事担当者も努力して作った人事制度でありながら、
効果がない、あるいは逆に社員のやる気が下がったというのです。
ご相談があった企業にその人事制度を見せていただくと、
それらの人事制度のほとんどは、人事コンサルタントの私から見ても
セオリー通りに作られた「よくできた人事制度」でした。
その「よくできた人事制度」が、
やる気向上という期待された効果をあげていないというケースに
数多く出会いました。
あるいは、その中にはまったく運用されていない企業もありました。
これに対して、人事コンサルタントや人事担当者のほとんどは
次のような言い訳をします。
「企業に運用するだけの実力が備わっていない」
「企業側に運用する努力が足りない」
「現場の理解力がない」
私も以前は、恥ずかしながらそう考えていた時期もありましたが、
現在は違う考えを持っています。
結論を言うと、
「人事制度の根本に流れる原理(考え方)そのものが間違っている」
というのが私の考えです。
根本原理から間違っているから、
人事コンサルタントや人事担当者が「よくできた人事制度」を作った
としても期待される効果がないのです。
さらに言うと、皮肉なことですが、
人事コンサルタントや人事担当者が力を入れて人事制度を作り込めば
作り込むほど、人事制度は社員さんのモチベーションを奪っていき、
複雑になることで運用も難しくなっていきます。
人事制度は、その根本原理から見直す必要があるのです。
人事制度の根本原理とは、
「望ましい行動に対して報酬を与えると、その行動が繰り返され、
強化される」
「望ましくない行動に対して罰を与えると、その行動が少なくなり、
改善される」
という、いわゆる「アメとムチ」の原理です。
人事制度での「アメとムチ」の代表例は給与制度です。
さらに具体的に言うと「昇給額」です。
望ましい行動には昇給額を増やし、
望ましくない行動には昇給額を少なくする(あるいは減給する)ことで、
社員さんのやる気を向上させ、パフォーマンスを高めようというのが
人事制度の根本原理です。
この根本原理は、一見すると理に適っているように思えるのですが、
さまざまな学者の研究によって、人間の本質を捉えていないことが
明らかになっています。
この「一見 理に適っている」ところが非常にやっかいで、
そのために人事制度はアメとムチを精緻化する方向で発展しました。
しかし、もう根本から見直す時期に来ていると思います。
これから数回に分けて、人事制度の新たな方向性を提示します。
普通の人事制度の考え方とはまったく逆の発想ですので、
最初は戸惑われるかもしれませんが、
人事制度について考えるきっかけとなれば、嬉しく思います。
- モチベーション・組織活性化
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生きがいラボは、新たなカタチの人事制度である「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを行っています。
アメリカのグローバル企業が導入を進めている人事制度である「ノーレイティング」。日本で広く認知される前の2010年から、点数づけや格づけ、正規分布調整などを廃止した「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを展開しています。
福留 幸輔(フクトメ コウスケ) 代表取締役
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