管理監督者研修
【ヒューマン・タッチ レター vol.104】
みなさん、こんにちは。株式会社ヒューマン・タッチの森川です。
前回は、「管理監督者研修」について、最近感じることを整理してみました。
メンタルヘルス業界で「管理監督者への研修」といえば、
下記のような内容が一般的ではないでしょうか。
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■メンタルヘルス対策の背景
・ストレスとは?
・管理監督者特有のストレス
・従業員を取り巻く環境
・メンタルヘルス対策の意義
・法的根拠
■安全配慮義務
・会社の責任と一次予防
・安全配慮義務(健康配慮義務)
・不調者対応の事例
・職場で見られるメンタルヘルス不調とは
■職場なすべき具体的な取り組み
・職場で実践する安全配慮義務
・「気づき」
・「声掛け」
・「聴く」
・「つなぐ」
・不調者対応の原則
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数年前からは、これらに加えて、
「いきいき職場づくりのヒント」や
「部下のエンゲージメントを高めるために」といった内容も加味されてきました。
また、メンタルヘルス分野での管理監督者研修で行うワークやロールプレイは
「傾聴」「質問」「不調者への接し方」といった話題について、
2人1組や3人1組になって実施しているケースがほとんどではないでしょうか。
コロナ禍を経て、管理監督者へのマネジメントインタビューや
人事労務担当者の方とのお話の中で、
「管理監督者研修」に求められている内容が変わってきている様に感じます。
上述したような「不調者への対応」だけではなく、
「チーム全員に対してのマネジメント」を内容としてほしいというニーズです。
人事部側としては、不調者の対応として、
●「なんでもかんでも人事部につなげばよいのでしょ?」となるのを避けたい
●現場のマネジメント力が低下している
という懸念があり、
逆に現場では
●「メンタル不調」とレッテルを貼った方が会社に対応を任せられる
●面倒な指導教育から離れられる
との思いがあるかもしれません。
以前も書きましたが、50代前後の今の管理監督者としては、
自身が受けてきたような根性論や時には手や足が出るような指導教育は、
絶対にしたくありません。
自分の経験上もそうですし、
コンプライアンスやハラスメントの情報が入っている
一般的な管理職であればなおさらです。
では、今目の前に、「働く場所が多様化(緩境界化)」した中で
「個人の考えを尊重」しながら
「プレーヤーとしての自分の仕事」をこなしつつ、
「良いところを認めて」強みを伸ばし、
「課題はしっかりと指摘」して教育指導する、
こんなスーパーマン的なモデルがいるでしょうか??
「真似ができるお手本」がない状況なのかもしれません。
「お手本」がいないとなれば、どうするか。
自分たちで考えるしかないのだと思います。
多くの管理監督者は、そうはいっても現場でそれぞれの知識や経験を生かして、
マネジメント業務を日々行っています。
経営学で話題になるような最新の知見を共有することも大切ですが
個人が持っている「日々の工夫」や「成功事例」を共に考え、
共有することがとても大切ではないでしょうか。
「管理監督者研修」のなかで、不調者対応のようなわかりやすい事例ではなく、
「メンタル不調者」ではなく、
どの職場にもいる「困った社員」を事例に、
どのような対応ができるのか、すべきなのか
を考えてもらうワークを入れると、非常に場が盛り上がります。
盛り上がるだけではなく、
自身のマネジメント手法や大切にしている「価値」を少し上から俯瞰して整理し、
具体的な手法について得られた気づきを、
実践の場にフィードバックしようという気になる、
ということができるのだと思います。
私自身も50歳手前の中小零細企業の代表として、
「管理監督者研修」で語られる内容は、非常に勉強になっています。
「管理監督者研修は費用対効果が低い」という意見もありますが、私は全く異なる考えです。
組織を支え、能動的に変化していくには、
「経営層」>「人事労務担当者」>「管理監督者」>「一般従業員」
の順番で変化を求めるのが、王道だと感じています。
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通算500社以上のコンサルティング、900件以上の復職面談、年間100件以上のセミナーをこなすメンタルヘルス対策専門コンサルタントです。
メンタルヘルス対策の仕組みづくり、個別休職復職支援、ラインケアセミナー、セルフケアセミナー、全員面談、ストレスチェック、職場環境改善、災害・自死等の危機対応など、「こころ」の視点から、「いきいき職場づくり」をトータルに支援いたします
森川 隆司(モリカワ タカシ) 株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
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