人材育成施策は複数組み合わせながら進める

今回は、
「人材育成施策は複数組み合わせながら進める」
について考えていきたいと思います。
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■人材育成がもどかしいと感じる理由
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人材育成を進める中で、思うように進まない焦りや
もどかしさを感じることが多々あるかと思います。
その理由を突き詰めていくと、
私はこの一言に尽きるのではないかと思っています。
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人材育成に、正しい答えはない
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実際、組織や人のマインドというものは
変わりにくいものであることは、
いうまでもありません。
その上、人材育成というものは数字で成果が
見える類のものではないので、組織改革や
人材育成を進める立場にある人にとっては
手探りで進めている方向性に対して
不安を感じたり、心が挫けそうになる瞬間は
頻繁にあるのではないでしょうか。
しかし、変わる“きっかけ”が訪れたら、
すごいスピードで人は成長できることも事実です。
その“きっかけ”は一人一人違いますし
タイミングも人それぞれです。
だからこそ、たとえ心が折れそうになっても、
目的をブラさず、理想の姿に向けた取り組みを
複数組み合わせながらやり続けていれば、
「“きっかけ”×人材育成施策」が見事に融合し、
社員と組織の同時成長が必ず訪れる日が来ると
私は確信しています。

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■挫折も大きな“きっかけ”となる
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私が大企業に勤めていた頃、大きな挫折を味わった
経験があります。
その「挫折」が今の活動に繋がっているのですが、
当時の私にどんな意識変革が起きていたのか、
その時どんな取り組みをしていたのかについて、
少しご紹介できればと思います。
●仕事もプライベートもどん底
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私は大企業に26年間勤め、10年の管理職経験がありますが
実は管理職昇格試験に一度落ちています。
すぐに再チャレンジの機会も来るだろうと
思っていたのですが、何年も声がかからぬままで、
会社にとって役に立たない人材なんだと卑屈になり、
プライベートにおいても離婚するなどして、
失意のどん底に陥りました。
この落ちるところまで落ちたという挫折経験が、
私が仕事とキャリアに正面から向き合うきっかけ
となったのです。
●会社の方向性を調査し、自分のありたい姿を明確化
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まず取り組んだのが、会社ホームページを見ながら
今後進もうとしている方向性の確認です。
公開されている決算書を分析し、
特に会社を取り巻く概況については
自分なりに力を入れて調べました。
そこから見えてきたことを踏まえて、
自分がこの会社で力を発揮するためには
どうしたらいいのかと考えたことが
大きなターニングポイントとなりました。
・自分はどう変わるべきか
・どんなスキルを身につけるべきか
この2つについて内省した結果の1つが
中小企業診断士の資格取得という目標でした。
●“安心感”と“自律型姿勢”がもたらされた
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自分の取り巻く環境、自分の方向性、
自分の取るべき行動を明確にしたと同時に
私に訪れたのが、“安心感”でした。
まだ何も達成はしていないけれど、
これやっていけばきっといい方向に行く、
という手応えを掴むことができたからだと
今振り返って思っています。
また、それまで正直面倒だと思っていた
会社が提供してくれる様々な研修に対して、
自律的な姿勢で取り組むようになりました。
これも、自分がこの会社で成長していく意義を
見出したことで気づくことができたのだと
思っています。
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■育成施策は複数組み合わせながら進める
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当時、私の中で仕事に対する意識が変わってから、
会社が私たち社員のために成長する機会を
様々な角度から与え続けてくれたことに対して
恩義を感じたものです。
例えば、参加必須の研修の他に、
・他社からゲスト招いたパネルディスカッション
・社内の同じ立場で働く女性社員との座談会
などが希望制で開催されていました。
そういった取り組みへ積極的に参加し、
大いに刺激をもらい、自信を深めたり、
もっと頑張らねばと気づかされるなどして、
より自分を高めることにつながりました。
そんな私の変化を感じ取った上司から推薦を受けて
管理職昇格試験の再チャレンジの機会をもらい、
私は2回目の試験を経て管理職となったのです。
余談ですが、今でも忘れられないのが、
試験後に配られたディメンション(能力要件)の評価です。
1回目のそれと比較すると、別人のような高評価で、
なぜ不合格だったのか、その理由がストンと腹落ち
したのを覚えています。
会社が管理職に求めていることがより明確となった
当時の経験は、今のダイバーシティ推進事業を進める上で
大いに役立っており、今後も取り組みの中で多くの方に
お伝えしていければと思っています。
*
もし、今まさに人材育成に取り組む中で
なかなか成果が出ない、このままでいいのか不安だ、
と感じていらっしゃる方がおられましたら、
どうか諦めずに、大小問わず様々な施策実行し、
PDCAを回し続けていただければと思います。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
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