マズローの欲求5段階説から考える「究極の人材育成」

今回は、
「自己実現の欲求を満たす関わりが、会社成長を促す」
について考えていきたいと思います。

 

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■究極の人材育成とは
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もし、社員が仕事を通して、自己実現の欲求を
満たすことができれば、それは「究極の人材育成」に
つながるに違いない、と私は考えています。

「究極の人材育成」とは、
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他者から言われなくても自分で自分を
成長させ続けることができる人材を育てること
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と私は定義しています。

究極の人材育成を実現するために
私が日々取り組んでいることの1つが
「承認」です。

“人は自己実現のために絶えず成長する”として
人間の欲求を5段階で体系化した
「マズローの欲求5段階説」にもあるとおり、

第4段階「承認欲求(尊厳欲求)」が
満たされなければ、
第5段階「自己実現欲求」
にはたどり着くことがないと言われています。

だからこそ、育成対象者へ絶えず承認する関りを
重要な取り組みとして捉えています。


<マズローの欲求5段階説>
アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱。
人間の欲求を5段階で体系化し、低次の欲求が
満たされると、次に高次の欲求を満たすための
行動をとるようになるという考えを基本とした理論。

参考:日本の人事部HRペディア「人事辞典」より
https://jinjibu.jp/keyword/detl/265/

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■【事例】承認がもたらす社員の行動変容
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ダイバーシティ推進支援の取り組みの1つ、
人材育成をサポートさせていただく際も
「承認」は欠かせません。

例えば、長期プロジェクト型(1年間)の
集合研修時には、毎回必ず優良課題実践者を
育成対象者全員の前で紹介する形で
承認をしています。

すると、承認を受けた受講生の100%が、
その後の取り組み姿勢に変化が出ます。

具体的には、
・課題実践時にプラスアルファの取り組みをする
・場面を問わず周りと積極的にコミュニケーションを取る
など、“少しでも学びを現場で活かそう”といった
自律的な姿勢が生まれ、結果として周囲も
目を見張るような成果・成長を遂げていくのです。

このような育成対象者が1人いるだけで、
他のメンバーも「自分にもできるかもしれない」と
引っ張られるような形で成長していくという現象も
同時に起こることがほとんどです。

 

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■会社成長に直結する育成施策のために
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育成対象者に改善点を伝える際にも、
承認は有効です。

特に女性はアンコンシャスバイアスの影響からか、
インポスターシンドロームに陥りやすい傾向にあり、
自分自身を振り返ってみても、自己肯定感が
低くなりがちです。

女性に限らず、改善点ばかり伝えてしまうと
言われた本人はその指摘を受け取りづらかったり、
挑戦することに対して消極的になるなどして
成長の機会を逃してしまうことにもなりかねません。

人の成長は、会社成長に直結します。

だからこそ、まずは育成対象者を承認し、
相手の「自己実現欲求」を引き出し、
究極の人材育成を実現することが
重要であると私は確信しています。

人材育成に携わる人事担当者や
ダイバーシティ推進担当者の方には、
「社員の自己実現の欲求が芽生えるか」
という視点を踏まえた施策検討について
考える機会を設けていただければと思います。

  • 経営戦略・経営管理
  • モチベーション・組織活性化
  • キャリア開発
  • リーダーシップ
  • マネジメント

◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成

元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。

細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

細木聡子
対応エリア 全国
所在地 千代田区

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