“しなやかさ”を兼ね備えたリーダーを育成しD&Iを加速する
技術系企業に特化した管理職育成に携わらせていただく中で、
育成対象者の皆さんそれぞれが現場実践を通して、成功体験を積み重ね、
自分ならではのマネジメントスタイルを確立されていくのを
人事担当者の方と一緒に見守れる立場にあることは私自身の喜びであり、
やりがいとなっている今日この頃です。
特に、先行き不透明な今の時代、人と違うことが価値になるといった側面が
注目されていることは、多くの方が肌で感じているのではないでしょうか。
マネジメントスタイルも、100人いれば100通りと言われるように、
今の世の中では、ますます自分スタイルの確立は重要になっていると感じています。
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■“しなやかさ”を兼ね備えたリーダーとは
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当社は、男性管理職比率8割超といった
技術系企業に特化したダイバーシティ経営の
推進支援に取り組んでいます。
男性管理管理職比率が高い、すなわち
女性管理職が少ない職場環境においては、
やはり“しなやか”な女性管理職の育成が
D&Iの突破口になると信じて取り組みを続けています。
私たちがキーワードとして挙げている
「しなやかさ」とは、柔軟性がありつつも芯が強く、
ブレない、折れない、といった“竹”のような
イメージです。
自分の軸はしっかりと持っていながらも
柔軟に周囲の考えを理解しながら受容し、
融合して発展させることができる特性として
捉えています。
このような特性を兼ね備えている人材が
VUCA時代(※)の今、まさに求められている
のではないかと私は考えています。
※VUCAとは、
V(Volatility:変動性)
U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)
A(Ambiguity:曖昧性)
これら4つの単語の頭文字をとった造語で、
「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」
を意味します。
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■変わりづらい組織の管理職視点や考えは皆似ている?
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会社運営上の重要な意思決定は、管理職の立場に
ある方々が、会社のコアとなっている以上、
管理職の人たちのあり方や関わり方によって
会社全体の運営形態が変わるほど、影響力のある
重要なポジションであると考えられるかと思います。
しかし、もしもその重要な意思決定の場にいるのが
同じような視点や考えを持つ人たちで長い時間
構成されていたとしたらどうでしょうか。
新しい価値観を融合し、多様性をもたらす職場へと
変われないことは決してありませんが、
変わりづらさがどうしても残ってしまうのでは
ないかと思います。
このような変わりづらい雰囲気を突破していくのが、
「変わらなければならない!」
と強い当事者意識を持っている方であり、
その方たちが、新しい働き方や価値観を実際に
見せていくことが、変わりづらい組織に大きなインパクトを
もたらしてくれるのではないかと私は考えています。
特に、男性管理職比率8割超といった技術系企業においては
パイオニアとなって組織風土に新たな風を吹き込むのは
まだまだ、女性であることが多いのが現状であると
様々な企業様のD&I推進支援を通して私は感じています。
もちろん、強い当事者意識があれば、パイオニアとなって
組織改革の風穴を開けることに男女関係ありません。
実際に私は延べ3,000名超の人材育成に携わってきましたが
男性社員がパイオニアとなって新しい働き方・価値創造を
もたらした例も複数見てきました。
自社のダイバーシティ推進が思うように進んでいない
気がする、といった際には、ぜひ自分自身が
当事者意識を持って向き合っているかどうかについて
今一度立ち返ってみていただく機会を持つことを
おすすめしたいと思います。
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■自分スタイル確立には「試行錯誤」が必要
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「自分が一番パフォーマンス発揮できる働き方」
「自分らしいマネジメントスタイル」
など、自分スタイルの確立には、やはり基本を
押さえる必要があるかと思います。
自分の強みも、自分ならではの特性も、
それが独りよがりだったら会社の成果には
結びつくことが困難です。
あくまで【チーム成果を最大化すること】を
目的とした時の手段として、自分らしいスタイルが
いくつかある、という風に考えてもらえたらと
思っています。
では実際にどうやって自分スタイルを
見出していけば良いのでしょうか?
その答えとしてお伝えできるのが
「試行錯誤」です。
チーム成果を最大化する、という目的を
ブラさないようにしつつ、自分らしさを
追求するための試みを続けるのが
とても大事であると私の経験則からも断言できます。
当社が提供する管理職育成プログラムでは
現場実践を必須としている理由も、そこにあります。
それぞれの現場で実践し、悩んだり失敗したりを
繰り返しながら、自分はこのほうがやりやすいな、
これなら相手の納得性を引き出せるな、など
手ごたえを積み重ねながら自分ならではの手法を
増やしてもらう形で進めています。
育成対象者の方の多くは、現場実践を通して
自分スタイルを着実に構築していますが、
その一方で、自分スタイルを構築できない方も一部に
いらっしゃるのが実態です。
では、自分スタイルを確立できる人とそうでない人の
違いはどこにあるのでしょうか。
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■「素直さ」が自身と会社の成長をけん引する
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私が実際の育成現場に携わる中で
自分スタイルを確立できる人とそうでない人の
違いを感じる場面の1つが
「学んだことを活かそうという気持ちがあるかどうか」
ということが1つ挙げられます。
その気持ちのベースには、“素直さ”があるかと思います。
普段の業務の中で、相手から苦言を言われても
素直に聞き入れ、良い方向に受け止めて、
必要以上に自分を責めることなく改善できる姿勢が
とても大事であることを、成長著しい育成対象者の
皆さんを通して、私が改めて学ばせていただいています。
先日も、2年前に当社の管理職育成プログラムで学ばれた女性管理職の方が
役員クラスの前でしなやかにリーダーシップを発揮しながら
場を取り仕切る頼もしい姿を拝見したところです。
派遣社員から正社員となり、管理職となるには
遅咲きと言われるような年代となってから学ばれた方でした。
当時は管理職一歩手前の立場であったにもかかわらず、
管理職の視点に立って、周囲のメンバー数十名を
巻き込んでプロジェクト立ち上げにチャレンジしたり、
限られた時間の中で、10名の面談実践レポートを
まとめたりと、積極的に、真摯に課題に
取り組まれていたのがとても印象的でした。
そんな女性の成長した姿を垣間見て、
この成長を加速させた根本的なあり方の一つは、
やはり「素直さ」からくるものであると
改めて確信した次第です。
*
“しなやかさ”を備えたリーダーをひとりでも
多く育成することは、組織で重要なポジションを担う
管理職のダイバーシティマネジメント力を醸成する
ことにつながると私は考えています。
最終的には、ひとりひとりが持つ力を
最大限発揮することが重要ですが、そのためには、
相手の可能性を信じて、その力を引き出すような
関りのできる管理職の存在が不可欠です。
D&Iの最終目的である、
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多様性を受容し互いの力を引き出し合うことで
これまで以上の企業成長をもたらす
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これを実現するためにも、経営者や人材育成担当者、
特にダイバーシティ推進や女性活躍推進に
取り組まれている方には、社員お一人おひとりの
“しなやかさ”を醸成する施策検討を
ぜひこの機会にご一考いただければと思います。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
対応エリア | 全国 |
---|---|
所在地 | 千代田区 |
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