上司のコメントから分かった「応援され力」

現在進行中の女性管理職育講座(6か月間・全6回)において、中間報告会が行われました。
中間報告会には、受講者の上司同席のもと開催されるのですが
そこで、ある女性受講生の圧倒的な「応援され力」に私含めその場にいた全員が魅了され、
改めて周囲をどれだけ巻き込み、応援してもらえるかの重要性について考えさせらたのでした。
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■上司のコメントから分かった「応援され力」
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中間報告会は講義終了後に行う予定だったので、女性受講者(Aさん)の上司の方は
後から会場入りすることになっていました。
定刻となり、実際にお越しになったのは
上司の方と、もう1人・・なんと同僚の方がサプライズで登場されたのです。
Aさんもびっくりされていましたが、
それと同時に、とても嬉しそうな様子が伝わってきて、
私は「上司や周囲の方をうまく巻き込んで現場実践しているな!」と感心しました。
ちなみに、Aさんがこれまで取り組んできた課題(現場実践)は
その前向きで自律的な取り組み姿勢も含め、
本当に素晴らしい成果も出ていたのですが、
中間報告会の発表を踏まえた上司や同僚の方からの
フィードバックを聞くと、さらにその成果が
部全体の成果に直結していることが判明。
「彼女は講座に参加してからいい意味でだいぶ変わりました。
毎回出される課題に真摯に向き合って、自分なりに工夫しながら
挑戦している様子が分かるので、育成って本当に大切なんだと
改めて感じています」
このような上司の方のコメントの他にも、
第1講からの山のように出した課題1つ1つに対して
同僚の方も細かく感想を伝えてくださった様子から、
Aさんが真の「応援され力」を身につけていたことが分かり、
とても嬉しく思った次第です。
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■応援され力を高める方法
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女性リーダー養成講座では、周囲の巻き込みながら
リーダーシップを発揮するための様々なスキル・マインド
についてお伝えしていますが、その1つに
「応援され力を高める」というものがあります。
応援され力を高める方法は
私の経験から3つあると考えています。
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1.ビジョン宣言
2.ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)
3.他者応援
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1.ビジョン宣言
⇒自分の思いやビジョンを周囲に発信することで
共感が生まれ、人は「応援したい」と思うようになります。
2.ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)
⇒業務上のホウ・レン・ソウを適切なタイミングで行うことで、
相手に自分の状況を細かく把握してもらいやすくなり、
「こうすればもっと良くなるよ」とアドバイスなどを通して
応援してくれるようになります。
3.他者応援
⇒人は、自分を応援してくれる人を応援したくなると
言われています。自分のために一生懸命関わってくれた人には
感謝の気持ちを持って、次は自分がお返ししたい!と
思った経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
Aさんは、特に1と2について
しっかりと対応していたように私は感じています。
その対応によって、周囲がAさんが現在取り組んでいる課題について
周囲の方が詳細に把握することにつながったと思います。
そして、Aさんを成長に導き、かつ、会社や部署の
目指す姿・目標といった方向性も合致するような
サポート体制が自然と築かれて行ったと考えています。
さらにAさんは、上司や同僚のフォローに感謝の気持ちを
しっかりと言葉にして伝えて、うまく行った時にはその
プロセスも含め、気づきと共に共有していくという
良いサイクルを絶えず回し続けたことで、会社側も
納得するような成果につながったのです。
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■チーム視点が醸成され、一気に成長!
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Aさんが大きく成長を遂げたことの中で、
「チーム視点」を持つことができたことも
大きな収穫だったと私は感じています。
女性管理職育講座がスタートしたばかりの頃は、
Aさんは業務を周囲に任せることが難しくて、
どうしても自分1人で仕事を抱え込みがちでした。
しかし、リーダーの役割や多様なリーダーシップの
発揮について学んだ後、彼女は自分がやらなくてはならないと
思い込んでいた業務を、メンバーに相談しながら、
うまく振り分けることに挑戦し、最終的には
「自分が手がけるより10倍素晴らしい
アウトプットが出ました!みんなすごい!」
と興奮気味に報告してくださったような、
貴重な経験を積むことにつながりました。
その後、チームへの関わり方に磨きがかかり
チームリーダーとして自信を深めていったことは
いうまでもありません。
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■上司のサポートを引き出すために人事部ができること
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今回は公開講座の様子についてお伝えしましたが、
企業内で行うプロジェクトや研修においても、
上司を含めた周囲を巻き込みながら取り組んでいくことが
とても重要だと考えています。
せっかく育成対象者がやる気になって現場実践しようとしても、
もし、直属の上司から、
「研修の課題なんて業務外にやってくれないか」
などと言われてしまっては、せっかくの育成施策も
十分に機能することができません。
上司や周囲の方が、育成施策の意義を理解することが
育成対象者の真の成長を促すサポートに
つながっていくことは、今回の事例や
これまでの私の経験からも確信しています。
もし、上司の立場にある人たちを巻き込んで、
人材育成に取り組むことを考える際には、
やはり経営トップや人事部といった、
「会社側からのメッセージ発信」が不可欠です。
今まさに社内で研修を行っているが、
うまく現場実践と繋がらない、育成対象者の成長が
思わしくないと感じている場合は、育成対象者の
上司を含めた周囲のメンバーが、どれくらいその
育成施策の意義を理解しているかについて、
今一度確認いただきたいと思っています。
その上で、周囲の理解が不足していると分かった時は、
会社全体で、社員育成に取り組んでいること、そのために
上司であるみなさんのサポートを必要としていることを
改めて経営者や人事部長といった立場の方から、
意識づけしていただきたいと思います。
それが、人材育成を成功に導く
1つのポイントになると私は考えています。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
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育成・研修 しなやかリーダー塾
経営視点と行動力を育む、実践型 女性管理職育成プログラム
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