コロナ禍で管理職が抱えている悩み
女性活躍推進2.0実態調査2020がスタートして1週間が経過し、現時点で600回答を超えたご協力をいただきました。
「新型コロナウイルス感染症によって働き方が変わりましたか?」
という質問項目を設けた今回の調査によって、コロナ禍で管理職が抱えている悩みが少しずつ見えてきたように感じています。
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■コロナ禍で管理職が抱えている悩み
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部下のいる管理職者で、
「新型コロナウイルス感染症によって働き方が変わった」
と答えた方へさらに質問をしたところ、
「部下とのコミュニケーションがとりづらい」
と回答している方が非常に多い傾向であることが
気になっています。これは管理職にとどまらず、
人事担当者といった人材育成に関わる方も
同じような課題を感じているのではないでしょうか。
とはいえ、この状況は当分続くことと思いますし、
コロナ以外の不測の事態も今後起こらないとは限りません。
うまくコミュニケーションが取れる方法を探り続けるべく、
現場と向き合い努力をしているマネジメント層や人材育成に
携わるみなさんの苦労の様子が伝わってくるようです。
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■軸は変えず、やり方を変える
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コロナ禍で働き方が変わっても、うまくコミュニケーションを
とって、成果を出している管理職はおられますし、
そういった管理職のいる組織は着実に成長を遂げていることと思います。
では、課題感を抱えている管理職と何が違うのか、
ということに目を向けた時、私自身の大企業管理職経験や
ダイバーシティ経営コンサルタントとして組織に関わっていることから、
「自分の軸を変えず、やり方を変えた」
という切り替えが出来た管理職の方は、周囲の環境に左右されず
マネジメントができているのではないか、と感じています。
具体的には、常にひとりひとりと丁寧なコミュニケーションをとり、
目標達成するためにはどうすればいいのか?と常に新しいやり方を
模索しようとするスタンスでいるかどうか、ということが
挙げられるかと思います。
とはいえ、懸命に取り組んでいるにもかかわらず
なかなか成果につながらず悩んでいるのが
実態調査から浮き彫りになっているのが現状のようです。
そこで、私が考える要因のひとつとして、
「変えるべきところを変えずに、
変えてはいけないところを、変えてしまっているのではないか?」
という可能性について、これから考えていきたいと思います。
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■変えてはいけない「あり方」
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私が考える「変えてはいけない部分」とは、
●自分の軸
●志
●目指す姿
といった「あり方」に通づるもの、としています。
ここを変えず、やり方を周囲の環境に合わせて変えていくことが、
マネジメントや人材育成に取り組む際のポイントであり、
これは経営にも同様に言えることだと、今の私がつくづく
感じていることでもあります。
とはいえ、多くの経営層・マネジメント層の方は
この「あり方」の部分はブレずに持っておられる方が
殆どだと思います。
自身の「あり方」をしっかり持ち、チームの目指す姿を見据えて
現状に向き合うのですが、向き合う現状が実態とズレていたとしたら・・
結果として新しい取り組みは現場の社員に受け入れてもらいにくく
なってしまうのは、仕方のないことではないでしょうか。
それが、
「部下とうまくコミュニケーションが取れていない気がする」
という悩みを引き寄せてしまっているように思えてなりません。
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■現状把握からリアルなギャップをとらえる
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すでにお気づきになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、
現場の実態に即したやり方を模索していくためには、
社員の本当の気持ちを正しく知っておく必要が
どうしてもあるのではないかと思います。
私が無記名のアンケート形式で実態調査を
行っている理由のひとつが
「本当は言えていない、正直な気持ち」
これを気兼ねなく、安心してぶつけることができる
ものにしたかったからです。
そこから得られた調査結果は、経営層やマネジメント層の
視点に立って、分かりやすくまとめて情報提供させて
いただいているので、より現場とのギャップ(=課題)が
浮き彫りになって、成果につながる“やり方”が
自ずと見出していただけるような流れとなっています。
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組織として目指すべき姿
↑
ギャップ=【課題】
↓
現場の真の実態
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もし、現場の真の実態を踏まえずに
人材育成施策が始まってしまうと、現場からの反発が
どんどん大きくなってしまうということに
なりかねないと思っています。
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■どこで意識の乖離が起きているのか?
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「女性活躍推進2.0実態調査2020」がスタートして
1週間ほどではありますが、男女別・役職別で回答結果を
比較してみると、意識の乖離が際立っているな、と
感じる部分がちらほらと見受けられます。
現時点で特に気になったのが、
【マネジメント層と一般社員の意識の乖離】です。
実際、管理職のよかれと思った言動が、現場の部下には
そのように受け止められておらず、ますます両者間の
気持ちの距離が離れているという組織も見られました。
調査項目にはES調査も必要に応じて追加して実施できるよう
カスタマイズしているのですが、例えばハラスメントに
関する質問において、ある組織では上司側は「ない」と答えて
いるにもかかわらず、部下の回答の多くはハラスメントを
「受けている、受けているのを見たことがある」と答えている
ところからも、上司と部下の意識差が垣間見えたような
気がしています。
また、男性は仕事に対して比較的ポジティブに捉えている一方で
女性はネガティブに捉えているような傾向が見られることなどから、
男女における業務の見え方に差があることで
現場の細かいレベルでのすれ違いが起きていることが
容易に想像できる組織もあって、今すぐ取るべき施策や
そのアプローチ法について思いをめぐらしているところです。
このように、どこで意識の乖離が起きているのかを
組織ごとに把握して、どのようにその乖離を埋めて
理想の姿を目指していくのかを丁寧に見た上で施策展開しなければ
新たな意識の乖離を招いてしまい、さらに課題が積み上がって
しまいかねないと危惧しています。
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■実態を把握することで見えてくる人材育成プロセス
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女性活躍推進2.0実態調査を活用してくださった
人事担当者のみなさまからは、
「実態調査を行うと課題が明確になるので、
どこから施策展開すればいいかすぐに分かる」
とおっしゃっていただき、私が正に求めることが
この調査を活用した、真に必要な人材育成施策展開なので、
何より嬉しい声として受け止めています。
ここまでお伝えしてきたとおり、現場の実態を正しく
把握した上で実施した人材育成施策は、
そうでないものと比較するとたいへん効率的で、
効果的な施策となることは言うまでもないかもしれません。
例えば、昨年実施した女性活躍推進2.0実態調査の結果から
組織のセクショナリズムが明白となったあるIT企業様においては、
「会社の目指すべき姿、ビジョンを浸透させることが第一歩」
ということに気付いて、まず経営者からのメッセージ発信から
スタートし、社内の結束力が高めることから始めておられました。
どうやって組織風土改革に取り組むか思案していたが、
実態調査を利用してうまくスタートを切ることができた、と
喜んでくださったのをよく覚えています。
実は、今年も本調査に参加されており、前年と比較して社員たちが
どのくらい意識に変化が現れたのかを見るのが今からとても
楽しみです、とおっしゃっていました。
このように、当社の取り組みをうまく自社の人材育成に
活用されて、役立てておられるのを心から嬉しく思っています。
*
自社独自の調査を実施している企業様も多いことと思いますので、
しっかりと結果を分析し、正しく実態を把握して
ぜひ今後の効率的な人事施策展開へと活かせる「やり方」を
見出していただければと思います。
社員が普段言えない本音を出したことで、会社が変わっていく
様子を感じることができれば、社員の会社に対する信頼度は
どんどん高まり、会社貢献意識も同時に深まって、
ひいては、さらなる企業成長をもたらすと私は確信しています。
- 経営戦略・経営管理
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◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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