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残業ゼロ宣言の落とし穴

とある企業の業務改革プロジェクトを進める中で、ちょっとした行き違いから上司部下の関係がギクシャクしてしまった瞬間に出くわしました。


┏━━━━━━━━━┓
■上司に対する不信感
┗━━━━━━━━━┛

N社は正社員30名、パート・アルバイト含め50名規模の
事務用品メーカーです。

先代社長は現会長で、現在は会長の息子夫婦が
会社を切り盛りしています。今は業務改革プロジェクトを
全社的に実施しており、生産性の高い組織へ生まれ変わろうと
目下努力中です。

事の発端は、息子夫婦のうち、妻であるYさん(専務)の配下で働く
経理担当女性社員とのやりとりでした。

---------------------------------------------------------------------
●本来3人体制の請求書発行業務を2人で対応
---------------------------------------------------------------------

経理担当はリーダーのAさん(社員)と共に、
Bさん(契約社員)とCさん(パート社員)の3名で担当。
毎月月末に業務が集中し、当然ながらその期間は残業も
発生していました。

先月、諸事情によりBさんとCさんの退職が決まり、
業務フォローのため別部署からDさんがやってきました。

3人でも手いっぱいの経理業務を2人で対応しなければならず、
Dさんにとっては初めて対応する業務で、さらに元々
担当していた業務も引き続き対応する必要がある状態でした。

---------------------------------------------------------------------
●Y専務の一言でAさん、Dさんは怒り心頭!
---------------------------------------------------------------------

経理リーダーのAさんは、バランスのとれた
しなやかな女性リーダーです。

Dさんは責任感が強く、与えられた仕事を
しっかり対応した上で、自分のペースで
無理なく仕事を進めることができるタイプ。

社内でも“できる人材”のAさんとDさんが
タッグを組んだ初めての月末業務期間を迎え、
全力で対応したものの、結果として過去に前例が
ない程の時間外業務となってしまいました。

この状況を見たY専務は、リーダーであるAさんに
こんな声をかけました。

「なぜ、Dさんは残業しているの?」

この専務の言葉を聞いて、Aさんは
「Y専務は経理業務を軽く考えているのか!」
と怒り爆発。

一方、DさんもY専務とAさんの様子から
「私が残業しているから、Y専務はAリーダーを叱責した」
と受け取ってしまい、Aリーダーへ迷惑をかけている
自分の不甲斐なさに苛立ちを抑えきれずにいました。


┏━━━━━━━━━━━┓
■残業ゼロ宣言の落とし穴
┗━━━━━━━━━━━┛

Y専務は、リーダーであるAさんに対して
声をかけたこと自体は良かったのですが、
その話の内容が誤解を招くような伝え方だったことにより
Aさん、Dさんから怒りを買って、自身への不信感を
抱かせるきっかけを作ってしまいました。

Y専務の本来の意図、そしてAさんとDさんが
受け取ってしまったメッセージ内容をまとめると
以下のようになります。

==========

●Y専務の意図:
Dさんの残業時間をAさんはきちんと把握しているのか?
と確認しようと思って声をかけた。

●Aさんの受け取り:
Dさんの上司なんだから、残業させるなと言われたと感じた。

●Dさんの受け取り:
専務は、自分が残業してダラダラやっていると思われていると感じた。

==========

これらの背景には、業務改革プロジェクトの実行中という
状況が深く関わっています。

というのも、全社的に「残業ゼロで生産性向上」を目標に
掲げて実行実践しているため、

「残業=悪」
「残業ゼロ=社員の鑑」

こんな雰囲気が組織内に広がっていたのです。

実は、この話には続きがあって、
期限内の請求書発行ができず、取引先から
クレームがありお叱りを受けたとのこと。

これもまさに、

「残業=悪」

という図式から、社員自身が、
「残業してはいけないから、残った仕事は明日に回そう」
という誤った判断をしてしまったと考えられます。

このように、本質を考えず、「残業ゼロ」を強制しすぎると、
思わぬ落とし穴にはまってしまうこともあるのです。


┏━━━━━━━━━━━━━┓
■信頼関係を構築し直す必要性
┗━━━━━━━━━━━━━┛

社員のいない場所でY専務と話をした際、

「Aリーダーは、上司である私に報告しないから
現場で何が起きているか分からないんです」

とおっしゃっていました。

「他の社員もそういう傾向があります。
基本的なことが出来ていないんです。
・・どうでしょう、具体的な行動内容を細かく設定して、
行動規定としてルール化するのは。どう思いますか?」

と問われて、正直私は面食らってしまいましたが、
Y専務が自ら気づいてもらえるよう、事例を出しながら
以下の点を丁寧に説明しました。

●信頼関係がないと、人は情報提供しづらいということ。
●厳しく取り締まるだけでは人は動かないこと。
●信頼関係があるからこそ、制度やルールが生きること。

これらのを一通りお伝えしたあと、

「細かい行動規定を作れば、
管理しやすくなるかもしれませんが、
必ず隙間ができます。
さらにその隙間を埋める規定が必要になって、
最終的には『ここに書いていないことはやらない』
と言われるかもしれませんね・・」

とY専務へ言ったところ、Y専務もハッと気づいたような
表情で納得してくださり、社員との関係性を一から
見直すこととなりました。


┏━━━━━━━━━━━━━┓
■ハード面より、ソフト面から
┗━━━━━━━━━━━━━┛

今世間を騒がせている新型コロナウイルス感染症に関する
様々な要請、それに関連して必要に迫られたテレワーク・・
いずれの事柄にも、規定やルールが定められていますが、
それでも不安だ、信用できない、という社会不安が
広がってるように感じられます。

どんな環境あっても、どんなルールがそこにあったとしても、
守る守らないは、最終的には個々人のモラルによるものであり、
互いに信頼を寄せていれば、定められたルールに従って
行動できるのではないかと私は思うのです。

組織においても同様のことが言えるとすれば、
その信頼関係を醸成するための
マネジメント力を向上させることが
組織風土の改善や、適正に制度運用されることに
繋がっていくのではないでしょうか。

だからこそ、ますますダイバーシティ経営、
そしてダイバーシティマネジメントといったものが
必要不可欠な世の中であり、特に経営層・中間管理職、
そして人事育成担当といった方には身につけておくべき
スキルではないかと考えています。

  • 経営戦略・経営管理
  • モチベーション・組織活性化
  • キャリア開発
  • リーダーシップ
  • マネジメント

◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成

元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。

細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士

細木聡子
対応エリア 全国
所在地 千代田区

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