ハラスメント防止の第一歩は、信頼関係から

この週末は、最近企業や顧問先からご依頼の多い
「ハラスメント」に関する知識のアップデートを
行っておりました。
法改正による(公財)21世紀職業財団での
ハラスメント関連講座だったのですが、
人事担当者として把握しておくべき法律が多く、
研修・講演・セミナー等に反映できるよう
さっそくアウトプットとしてまとめています!
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■それはハラスメントなのか?
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ハラスメントとは相手に対して行われる「嫌がらせ」
のことで、30超の種類が存在します。
特に職場に関するハラスメントとしてよく耳にするのは、
・パワーハラスメント
・セクシャルハラスメント
あたりでしょうか。
私の経験から、ハラスメントとして認められるかどうかには
とても難しい問題がいくつもあると感じています。
例えば、受け取り側がハラスメントと感じ「被害を被った」と
思っていても、加害者側が
「そのつもりはなかった」
「部下マネジメントに必要だった」
「社員指導の一環で行っただけだ」
と主張するケースがほとんどだと思います。
同じような言動が職場の関係者間であったとしても、
良い関係で仕事をしている方もいれば、
傷つき、悩んで、周りや職場の相談窓口に駆け込み訴える・・
といったことになっている方もいらっしゃいます。
この違いはなぜ起こるのでしょうか?
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■信頼関係があればハラスメントは起こりづらい
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私は”信頼関係”次第でハラスメントとして
受け取られるか、そうでないかに
分かれるのではないかと考えています。
職場のハラスメントといえば、
上司と部下間のパワーハラスメント(パワハラ)。
上司が部下のことを「この人は必ずできる人だ」と
信頼していれば、部下の将来のことを考えて
あえてハードルが高い仕事を与えたり、
厳しい指導をしたりすることもあります。
そして、部下はそんな上司の思いをきちんと理解して、
信頼していれば、上司からのキツイ言葉も
「自分を成長させてくれようとしてくれている」
と感謝の気持ちを抱くことがあるのです。
このようにお互いが信頼し合う関係となっていれば、
多くのハラスメントはそもそも起こらない、
という捉え方も一理あると思うのです。

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■マネジメントがもたらすハラスメントゼロの職場環境
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職場での信頼関係を醸成するために、
大切なポイントの一つが「マネジメント」です。
管理職の立場にある方が組織を適切に
マネジメントすることから、そこで働く人たちとの間に
信頼関係が生まれてくるものだと考えています。
今、このコラムを読んでくださっている方が
上司の立場であれば、まずはあなた自身から
部下を心から信頼することを始めていただきたいと思います。
人は、自分のことを認め信頼してくれる相手には、
何とか応えたいと思うものです。
その気持ちこそが、お互いの間に強固な信頼関係を作り、
結果的に成長と成果をもたらすのです。
たとえ、あなたからの言葉が厳しすぎて、
部下がとても傷ついてしまった、受け入れらそうもない、
という状況になったとしても、
あなたから信頼を寄せられていると
理解していれば、傷ついたことを直接伝え、
表現を変えてもらえないかと相談するといったことへ
つながるかもしれません。
信頼関係があれば、互いの関わり方に対する
フィードバックがもたらされ、上司側も自身の言動を
見直すチャンスに多く恵まれることになります。
これらのことから、職場のハラスメントは起きにくくなり、
最終的にはハラスメントのない職場作りが
実現できるのではないかと思います。
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■誤解から生ずるハラスメントをなくす
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私も上司から厳しい言葉で指導をされた経験があります。
当時は、私を信頼し、ポテンシャルとキャリアを考え抜いて
くれた上司の気持ちがヒシヒシと伝わり、何とかしてその
期待に応えたい、この局面を乗り越えたい、と
モチベーションが上がっていったのを覚えています。
もちろん、私にとって受け取りづらい言動もありました。
その時は、
「言われていることは理解していて、改善しようと思っていますが、
この言い方をされると、とても傷つくので・・
やめてもらえないでしょうか。」
と上司に相談して、実際に上司も改善してくださったので、
その後はより強固な信頼関係で仕事が進められたように思います。
パワハラは、ちょっとの誤解やボタンの掛け違いで、
悪いスパイラルにはまってしまった結果だと思います。
管理職や人事など、人のマネジメントを行う立場の方は、
まずは自分から社員を心から信頼する、というあり方を軸にして、
悪いスパイラルが起こらないように心掛けることが
必要ではないかと感じています。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
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