女性活躍推進〜「何を今さら」という社内反発を乗り越えるために
岡山の会社にて、顧問として主に人材育成コンサルを行うことになりました。
月曜日は、キックオフミーティング。
非常に公益性の高い事業を営まれている会社で、この会社をサポートすることで、
より多くの方々のお役に立てる喜びを感じています。
限定的な効果しか現れない人事施策
近頃、主に女性活躍推進に関わる研修やコンサルティングのご依頼をいただく機会が増えてまいりました。
経営者や人事担当者様のお話をお伺いしていますと、
これまで社内において様々な取り組みやイベントを行ってきたものの、
なかなか女性活躍推進が進んでいない、効果が限定的だ、という課題感があるようです。
私は、社内で積極的に人事施策を行っている企業様自体が素晴らしいと思っています。
しかしながら、特に女性活躍推進は、社員の意識改革が土台となる重要なことなのです。
この意識改革を行うにあたっては、社内だけで取り組みや施策を行うだけでは、
残念ながらなかなか効果が現れないのが現状です。
何を今さら?と言われないために
会社によっては、特に女性活躍推進についてこれまで打ち出していなかったことから、
女性社員からすると、
「何を今さら!」
といった受け取り方をされていることも少なくありません。
男性社員も含めて本音の部分では、
「今のままで業績が安定しているから別に女性活躍推進なんていいよ・・」
という思いを持っている社員も少なくないのです。
このような状況で、社員のマインドチェンジを行う場合、
社内の経営者や人事担当が意識改革を図るために様々なメッセージを出したとしても、
社員も本音の部分でなかなか受け入れられず、効果が限定的になってしまうのです。
自分と同じ経験をした人の話は響く!
社員のマインドチェンジに最も効果的なのは、現場社員と同じ立場で、
同じ経験をしたことがある人物からメッセージを伝える、ということです。
とある企業様の人事担当者が、こんなことをおっしゃっていました。
「女性の社外講師に女性活躍についてお話をしてもらったものの、
実はご本人は管理職経験もなく、部下もいない状態で独立起業したという
バックグラウンドのせいか、話を聞いていた女性社員の方はまるでピンと来ていなくて・・」
人がマインドを変えるきっかけになるのは、人からの関わりによってですが、他人の話を自分事として捉えられたときに、気持ちが変わっていくものではないでしょうか。
このため、女性活躍推進であれば、企業や組織の中で、同じような環境の中で、管理職的な立場まで経験した女性に自分自身の体験事例も織り交ぜながら話をしてもらうことで、女性社員に擬似体験を促し、意識改革を図ることが出来やすいと考えます。
社内と社外、両方の力を活用する
実際に私が人材育成担当だった頃、社員にマインド醸成をしたい時には、
外部の方を講師に迎え、打ち合わせ段階で社員へ伝えて欲しいメッセージについて
相談した上で講演会や研修等を行っていました。
特にこれまでとは、大きく意識を変えて欲しいことなどは、
経験者である外部の人から話してもらうことで、数時間の講演会の後には、
すっかりマインド醸成されている、といったものすごい効果が出ていました。
このように、社内と社外の力を上手く使い分けることが、
社員の意識改革には非常に効果的です。
私がおすすめしている社内外の力の使い分けを以下に簡単にまとめました。
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●社内の力を活用する
→会社の方向性や方針などを周知する場合。
経営者や人事担当から発信することで、会社を上げての取り組みだと認識が高まりやすい。
●社外の力を活用する
→会社方針や方向性に向けた落とし込み、意識改革等は、社外講師等の影響力を活用することで、相乗効果が生まれやすい。
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女性活躍推進などの取り組みがなかなか進まない、と悩む経営者や人事担当者は
こういった使い分けを是非考えてみていただきたいとと思います。
- 経営戦略・経営管理
- モチベーション・組織活性化
- キャリア開発
- リーダーシップ
- マネジメント
◆技術系企業D&I突破口となる次世代リーダー・女性管理職を育成
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまでのべ5,000人以上の技術系企業のリーダー・管理職育成に携わる。専門は技術系企業に特化したD&I推進コンサルティング。
細木聡子(ホソキアキコ) 株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
対応エリア | 全国 |
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所在地 | 千代田区 |
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