会社の中でメンタルダウンに追い込まれないために

勤め先と自宅を往復するしかない、多忙で社外活動などをしていない場合、
会社でうまくいかなくなると、上司も同僚も、誰一人自分を認めてくれる人はいない、
人生終わりだ、もう全世界がダメだと思い込んでメンタルダウンに陥ってしまうことがあります。
もし、サークル活動や、資格試験の勉強仲間など、社外にも所属する世界があるなら、たとえ
会社の中で自分が認められなくても、自分で自分の人間性まで否定しないものです。
「別に会社で認められなくても平気ですよ、自分を一人の人間として認めてくれる人が別でいるので」
と開き直って考えられるくらい、一人でも自分の存在を認めてくれる人がいれば、バランスを保つことができるのです。
実は私も、中小企業診断士を取得する前はバランスを保つのが難しいと感じていた時期がありました。
会社と自宅の往復で、当時1回目の結婚もうまくいかず、チームマネジメントに苦慮し、日々残業していました。
しかし、中小企業診断士を取得するために勉強をスタートさせ、そこから社外活動が少しずつ増えるにつれ、社内の業績評価がぐんと上がったのです。
会社の仕事だけしていた時よりも、「会社は会社」と自分の中で割り切って考え、残業せず即帰宅して試験勉強する方が、評価がすこぶる良くなったのです。
結果として勉強をスタートして課長にすぐ昇格したのでした。
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■社外で自分を認めてくれる場所を見つける
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特に女性は(男性も同様に)、メンタルバランスを保つために視野を広げてくれる、別の世界が必要だと思います。
しなやか女性リーダー養成講座を作った理由も、別世界で自分を認めてくれる世界として利用してほしい、そんな場所として使って欲しいと思ったからです。
例えば、地位や出世欲のある男性によくありがちなのが、自分が出世コースから外れて夢破れると、
「俺の人生は終わりだ」と嘆き、出世した同僚を妬み、部下にキレ散らかすのです・・
「お前たち(部下)が仕事で盛り上げてくれないからこうなったんだ、ふざけるな!」
という態度になって、部下がドン引きしてモチベーションダダ下がりにして、チームの生産性を下げてますます逆効果、というお話です。
一方、上司の立場の人が純粋に
「会社で例え認められなくても構わない」
とバランスを持って考えられるようになると、自分の立場から考えた、仕事の責任に注力できるようになり、今働いている部下たちをもっと良くしよう、成長してもらおう、それが使命だ、と冷静に、根本に立ち返ることができるようになるのです。
自分が満たされていないと、人のことは支えられないものです。

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■自分をコントロールできるようになるために
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管理職になると、誰かが自分を認めてくれる機会が激減します。つまり自分で自分をコントロールすることが必要になってきます。自分のメンタルを保つために、2〜3カ所、自分を認めてくれる場所をもつと良いと思います。長期的に関われるコミュニティがおすすめです。
例えば、他者に左右されない資格を取って、万が一、勤め先がなくなっても、自分はこの資格があるから平気です、と言えるような、そんな状態を作り出すための目標を立てるとか。
管理職という立場の人ほど、自分でメンタルコントロールできる場所を作って、自分自身のメンタルマネジメントをする力を養ってもらいたいと思っています。
現在実施している女性リーダー養成講座の個別相談の中では、女性たちが今抱えている悩みは誰にも打ち明けられないこと、上司に相談して、上司も共感してくれるけれど、なぜか気持ちが晴れない・・そんな話を涙ながらに話してくれます。
そこで私が、
「私も管理職の時は失敗していましたよ。うまくできないこともありますよね」
と共感すると、
「私だけじゃなかった、安心した」
と、安堵したような涙を流すのです。
自分が失敗したと思っていたことを、同じ女性の立場で、同じ経験をして来た人に、それでいいんだよ、私もそうだったから、私も失敗したよ、大丈夫だよ、と教えてもらえると、すごく気持ちが楽になるのです。
この記事を読んでいる男性上司のみなさんには本当に申し訳ないのですが、男性がどんなに女性たちに共感しても、女性はどこかで
「男性のあなたに分かるわけがない」
と思っているのが、相談しても気持ちが晴れにくい原因のひとつかもしれません。
しかし、現状で、自分と同じような悩みを持って、打開してきた女性上司は周囲にあまりいないことでしょう。
相談先がなくて、途中でメンタルダウンしたり、自分はできないと諦めている人も多いかもしれませんが、そこを自力でメンタルバランスを取る術を今の女性管理職の皆さんには身に付けて欲しいと思っています。
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■外部の力を借りるよう促すのも1つ
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相談先を社内に見つけるのが厳しいのであれば、家族や結婚相手を相談先としても良いと思います。
とはいえ家族やパートナーは相手あってのことなので、社外メンターを探したり講座へ参加するといった、自分で
できることから始めてみるのも良いでしょう。
社外のメンターの存在があれば、例え上司からパワハラを受けていたとしても、メンターの存在があって、自分を信じ認めているという確信がもてらえば、自身のモチベーション維持、メンタルダウンを防ぐことができると私は考えています。
そんな社外の場所を作りたいと思ったことが、私を独立へと導いてくれたきっかけとなり、現在の「しなやか女性リーダー養成講座」が誕生しました。
「外部でフォローしてくれる場所があれば安心するのにな・・・。」
と当時女性管理職になりたての私が思っていたこと、欲しかったフォロー、教えて欲しかったこと、全て形にして、その結果、今まさに悩んでいる女性管理職の皆さんにとっての
「外部の拠り所の1つ」
としてしなやか女性リーダー養成講座が認められていることが、本当に嬉しく思っています。
人事担当の方も、女性管理職の方々へメンタルバランス取るための1つの方法として社外活動をお勧めしても良いかもしれません。
特に女性は、責任を持って懸命に仕事をしようとするあまり、視野が狭くなりがちで、そのままだと組織にフィットしきれない要素が強く、会社の中でうまくいかない可能性が男性よりも高い傾向があります。
そんなとき、会社に属する自分という世界しかないと、メンタルダウンを引き起こしやすくなってしまいがちです。
そうならないように、視野を広げる活動があることを伝えてみるのも大切なサポートだと私は考えています。
このコラムを書いたプロフェッショナル
細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。

細木聡子(ホソキアキコ)
株式会社リノパートナーズ代表取締役/技術系ダイバーシティ経営コンサルタント/(公財)21世紀職業財団客員講師/中小企業診断士
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
元NTT女性管理職10年、約500名のSE部門における人事育成担当3年の豊富な現場経験を持つ。これまで延べ7,700人以上の技術系企業の女性管理職育成に携わる。技術系企業のジェンダーギャップ解消を突破口としたダイバーシティ経営推進を支援。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、キャリア開発、リーダーシップ、マネジメント |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 千代田区 |
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