逆説7, 成果主義に自信を持つ
成果主義は人件費の構造改革という意味において、経営に一定の成果をもたらした施策であった(注:もともとは高止まりする人件費問題をどう解消するかを提案している段階で、これまで昇給が当たり前だった賃金制度にメスをいれたのがきっかけだった。その後、マスコミがその動きを成果主義と呼ぶようになった経緯がある)。成果主義は失敗に終わったと語るのは簡単だ。しかし、 むしろ今は、痛みを伴う人件費の構造改革が終わり、成果主義の第 2 段階に入ったと捉えるべきだ。
そもそも、成果主義という言葉は、人によって意味するものが違う。成果に対して賃金を払うという「Pay for Performance」の考え方のみを指すことも多 いが、筆者は「成果をあげるための人事」と広義に解釈している。人事部門が行ってきたのは、結局は狭義の成果主義だけであり、仕事のできる人に賃金を多めに払い、できない人には尐なめに払うという賃金制度だけの改革だった。 そして、できる人を見つけ出したり、つくり出したりすることや、できる人材を企業内にとどめるため、現場におけるマネジメントのあり方についての改革が見落とされていた。これらは現場のマネジメントの改革は同時に行われなけ ればならなかったが、人件費構造の見直しという命題の下で後回しになった。 つまり、(広義の)成果主義はまだ完成していないと言える。
いま成果主義は仕上げの段階にある。そして、いますぐにやらなければならないのは、人事評価や賃金制度の改革ではなく、現場マネジメントそのものの改革である。現場が成果をあげやすいマネジメントプロセスを設計するのが、 これからの人事部門の仕事である。
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「人事の大学」を運営する株式会社JIN-Gの社長です/
ビジネス・ブレークスルー大学で准教授も務めます/
組織人事戦略コンサルタント
・株式会社JIN-G 代表取締役 組織人事戦略スペシャリスト
・ビジネス・ブレークスルー大学経営学部グローバル経営学科准教授
三城 雄児(ミシロ ユウジ) 株式会社JIN-G 代表取締役 組織人事戦略スペシャリスト
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