逆説6, 社内コンサルタントにならない
コンサルタントの提案で「人事部門はコンサルタントのようにならなければ ならない」という論調をよく聞く。役に立つ人事部門になりたいのなら、経営者や従業員の悩みを聞いて、組織・人事の専門知識を活かして、それらを解決する提案をコンサルタントのようにしなさいという論拠である。
しかし、私の考え方は違う。優秀な人事部門は、“コンサルタント的”では なく“経営者的”である。すなわち、経営者と同じ視座で同じような行動をとれる人事部門が強いのだ。企業の人事部門は、外部の組織ではなく、内部の組織である。外からものを言うコンサルタントであってはならない。経営側に立つ人事部門であって欲しい。
それでは、コンサルタントと経営の違いとは何だろうか?
〈コンサルタント〉
・何を言うべきか
・本当にやるべきか
・正しい選択肢を選ぶ
・分析力、思考力
・知識、経験、ロジック
〈経営者〉
・何をやるのか
・何をやらないのか
・選択したことを正しくする
・説得力、胆力
・志、信念
コンサルタントと経営者の決定的な違いは、実行する責任を伴っているかどうかである。人事部門は、コンサルタント的に分析するだけではなく、経営側として実行する立場に居続けなければならない。上記の経営側の志向で物事を進めていくのが企業の人事部門だ。決して、コンサルティング側になってはならない。ところが、コンサルティング側で済ませてしまっている企業の人事部門が最近増えてきたように思う。
情報が多いとどうしてもコンサルティング側に視点が偏ってしまう。しかし、企業の人事部 門は側の領域で物事を進めて欲しい。分析的に物事を考えるのも時には必要だが、一度決めたら信念を持って実行し続けるという、経営側の思考特性で仕事をすることで人事部門の存在意義がでてくる。そこでは、決定し たことをわかりやすく説得力を持って、経営者や従業員に説明する能力も求められている。
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「人事の大学」を運営する株式会社JIN-Gの社長です/
ビジネス・ブレークスルー大学で准教授も務めます/
組織人事戦略コンサルタント
・株式会社JIN-G 代表取締役 組織人事戦略スペシャリスト
・ビジネス・ブレークスルー大学経営学部グローバル経営学科准教授
三城 雄児(ミシロ ユウジ) 株式会社JIN-G 代表取締役 組織人事戦略スペシャリスト
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