ストレングスファインダーで築く信頼の土台
先日は、ある企業で実施しているストレングスファインダー(R)を活用したチームビルディング研修の2回目を行いました。
初回では、参加者一人ひとりの資質の組み合わせを読み解く「プロファイリング」を通じて、「自分を知る」ことに重点を置きました。
そして2回は、その理解を土台に、グループワークを中心に据えた「相手を知る・つながる」フェーズです。もちろん目的は、相互理解を深めて、チーム内の信頼や相互依存の感覚を高めること。
…ですが、実はもうひとつの狙いがあります。
それは、シンプルに“会話の量を増やすこと”です。というのも、日常の職場では、業務に関するやり取りが中心で、意外と「その人自身」の話をする機会って少ないですよね。
今回の研修でも、たとえばこんなエピソードが出ました。
「昔バンドをやっていて、実は今も週末は地元のライブハウスに立ってます」
「実は営業に異動する前、設計畑一筋でした」
こうした個人的な話を聞くだけで、「あの人ってそんな面もあるんだ」と一気に距離が縮まります。まさに“知らなかった相手の一面”を知ることが、親近感や信頼感のきっかけになるのです。
今回の研修の最後には、このチームの責任者の方が、自らの「強み」や「思い」を語ってくださいました。普段は冷静で少し近寄りがたい印象のある方だったそうですが、その姿に「意外だった」「ちょっと好きになった」と感想を漏らす参加者も。
人は、知らない・わからないものに対しては、なかなかポジティブな感情を持ちにくい。だからこそ、まずはお互いを知ることが、信頼関係の第一歩になるのだと思います。
ストレングスファインダー(R)の真価は、資質の知識を学ぶこと以上に、それを通じて信頼の土台を築けることにあるのかもしれません。そしてその信頼があってこそ、「自分の強み」も「相手の強み」も本当の意味で活かせるようになる。
一見、ちょっと遠回りに見えるプロセスですが、チームづくりにおいては、この“回り道”が一番の近道なのかもしれません。

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ストレングスファインダーで変革を促す~対話と多様性を重視し、個々の強みを活かすことで組織全体の成長をサポート~
前職では半導体製造技術者として勤務しながらコーチングやアサーション研修の社内講師も務める。独立後、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングやリーダーシップ研修を中心に提供。ストレングスファインダーのプロファイリングに定評がある。
知識茂雄(チシキシゲオ) ガイアモーレ株式会社提携講師(株式会社ハート・ラボ・ジャパン)

対応エリア | 全国 |
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所在地 | 熊本市 |
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