ストレングスファインダーをチームビルディングに活かす その6
今回は、チームの中で自分の苦手な役割を担わなければならないときに、“それなりに”対処する方法について考えてみます。
苦手なことを逆手に取る
ここでいう「苦手」とは、ストレングスファインダー®でその分野を得意とする資質が下位に位置している状態を指します。つまり、自分にとって自然には得意と感じられないことです。
まず大切なのは、自分がその分野を苦手としていることをチームメンバーに開示しておくことです。ただし、これは「言い訳」にするという意味ではありません。
たとえば、
「これは自分にとって苦手な分野だから、時間がかかったりうまくいかないこともあるかもしれないけれど、そのときはごめんなさい!」
このように、自分なりに頑張る前提を示しつつ、「完璧にはできないこともある」と自分に許可を与え、同時に相手にも理解を求める姿勢がポイントです。
相手にとってはイライラの原因となる場面があるかもしれませんが、それが悪意からではないことをあらかじめ伝えておくことで、相手も受け入れやすくなるでしょう。
苦手なことを明確にしておくことで、周囲が自然と助けてくれる状況を作ることもできます。
理想的には、お互いが資質や役割を共有し、それを基に補い合うのが良いですが、すべてのチームでそうした環境が整っているわけではありません。
そのため、まずは自分から「苦手」と公言しておくことが大切です。
苦手を克服ではなく逆手に取る
苦手なことに直面したとき、まず考えたいのは、それを上位の得意な資質を使って補えないか、もしくは活かせないかということです。
そして、その苦手さを克服しようとするのではなく、自分が自然に動けるモチベーションに結びつける工夫をします。
たとえば、実行力の資質が下位で、「活発性」「着想」「適応性」が上位にある場合、一つのことを継続して行うことに苦手意識を感じるかもしれません。
こうした人は、瞬発的な行動や、その場で思いついたアイデアに基づいて動くことにモチベーションを感じる傾向があります。
そのため、苦手な「続ける」を逆手に取り、「変化」を取り入れる工夫が有効です。
具体例として、定期的に顧客訪問をしなければならない場合を考えてみましょう:
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訪問するルートを毎回変える
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交通手段を工夫する(電車、自転車、徒歩など)
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訪問時間帯を変える
こうした工夫で日々の業務に新しい刺激を加えると、「同じことを繰り返す退屈さ」が軽減されるだけでなく、予期せぬ発見が生まれることもあります。
たとえば、違う時間帯の電車で新しい風景を見たり、新しい人に出会ったりすることで、着想に富んだアイデアが生まれることもあるでしょう。
重要なのは、苦手なことを克服しようと無理をするのではなく、苦手な分野を自分が自然に楽しめる形に変えることです。
資質の組み合わせによって具体的な方法は異なりますが、自分の強みを活かして「自然な動機づけ」を探る姿勢がポイントです。
無理をしすぎない「それなり」の頑張り
ここで強調したいのは、「上位資質を使えばどんなことでも得意な人並みにできる」という話ではないことです。
あくまで、自分なりに“それなりに”対処する方法を見つけるための工夫です。
完璧を目指すのではなく、できる範囲で「それなり」に取り組むことが長続きする秘訣です。
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ストレングスファインダーで変革を促す~対話と多様性を重視し、個々の強みを活かすことで組織全体の成長をサポート~
前職では半導体製造技術者として勤務しながらコーチングやアサーション研修の社内講師も務める。独立後、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングやリーダーシップ研修を中心に提供。ストレングスファインダーのプロファイリングに定評がある。
知識茂雄(チシキシゲオ) ガイアモーレ株式会社提携講師 株式会社ハート・ラボ・ジャパン
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