ストレングスファインダー(R)をマネジメントに活かす その3
今回は、リーダーやマネジャーがどのようにメンバーの強みを引き出していくかについて書きます。
リーダーとして、メンバーの強みを最大限に引き出すことができれば、チーム全体の成果が飛躍的に向上します。
これは、多くの成功したチームが証明している事実です。
しかし、それが簡単なことではないのも事実です。
なぜなら、人は無意識に、自分の「当たり前」を他の人にも当然だと思い込んでしまいがちだからです。
さらに、自分にとって心地良いやり方が、他の人にとっても同じように心地良いはずだと考えてしまうことがよくあります。
例えば、「ポジティブ」の強みを持つ人は、特に理由がなくても「なんとかなる!」という感覚を自然に持っています。
一方、「慎重さ」の強みを持つ人は、根拠もなく「なんとかなる」とはまず考えません。
この両者が上司と部下の関係にある場合、次のようなことが起こりがちです。
「ポジティブ」な上司は、物事を前向きに進めようとします。
ここに「活発性」が加わると、「とにかく失敗してもいいから、まずやってみよう!」という姿勢になります。
さらに「達成欲」が加わると、圧倒的なエネルギーで前進していくような印象を与えるでしょう。
もちろん、このエネルギーの高さや推進力は、このタイプのリーダーやマネジャーの強みです。
しかし、「慎重さ」の強みを持つ部下にとっては、“とりあえず”という考え方自体がなじまないため、こうした状況では戸惑うことになります。
結果的に、上司はなかなか動かない部下に苛立ち、部下は自分の強みである「しっかりと準備をして確実に成果を出す」という点を活かせず、フラストレーションを感じることになります。
では、どうすればこの状況を改善できるのでしょうか?
最初のステップは、自分と他者の違いを理解すること、すなわち他者理解です。
これは、自分の無意識の思考から少し距離を置き、客観的に自分自身を見つめることでもあります。
なぜなら、他者理解は自分と他者の違いを知ることに他なりません。
自分の「当たり前」が他者にとってそうではないことを理解することが、他者理解の第一歩です。
もし、自分の「当たり前」が世の中でも「当たり前」だと思い込んでいる状況では、客観視することは難しくなります。
そうなると、そもそも客観視すること自体に意味を感じなくなってしまいますよね。
ここで、少し考えてみましょう。あなたのチームにはどんな強みを持つメンバーがいるでしょうか?
彼らの強みをどのように引き出せるか、具体的に考えてみてください。
リーダーやマネジャーとしてメンバーの強みを引き出すための第一歩は、まず自分と他者が違うことを理解し、受け入れ、認めることです。
そして、その違いを活かしてチーム全体のパフォーマンスを向上させる方法を見つけることが、真のリーダーシップの始まりです。
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ストレングスファインダーで変革を促す~対話と多様性を重視し、個々の強みを活かすことで組織全体の成長をサポート~
前職では半導体製造技術者として勤務しながらコーチングやアサーション研修の社内講師も務める。独立後、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングやリーダーシップ研修を中心に提供。ストレングスファインダーのプロファイリングに定評がある。
知識茂雄(チシキシゲオ) ガイアモーレ株式会社提携講師 株式会社ハート・ラボ・ジャパン
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