ストレングスファインダー(R)と内的キャリア
先日は、某大手通信会社の女性社員の皆さまにストレングスファインダー(R)研修を提供しました。
終日の研修だったので、前半の時間を丸々使って資質のプロファイリングを行いました。
よく研修担当者の方が気にされるのは、一方的な解説をただ聞くだけで飽きてしまうのではないかということです。
それに対する私の答えは毎回同じで、「それは杞憂ですよ」です。
実際に研修や一般セミナー問わず、これまでたくさんの同じような場を提供してきましたが、他の人の話を聞いていて飽きてしまう人は見たことがありません。
それくらい、人は自分のことを知るのと同じくらい、自分とは違う他の人のことを知りたいのだと思います。
さて、今回の研修のメインテーマは内的キャリアとコンピテンシーでした。
特に内的キャリア、すなわちその環境で働くことへの意味づけ、価値、やりがい等についてはストレングスファインダー(R)から見えてくることが多くあります。
例えば、私もトップに持つ「最上志向」であれば、より良く、より良くを目指すわけなので、端的に言えば常に何かを改善し向上させたいという欲求があります。
そのため、そういうことができる業務に就くと生き生きとし、やりがいを感じやすいです。
一方で、何の改善の余地もなく、ただこれまでと同じことを繰り返すだけとなると、「アレンジ」「適応性」とも相まって、まったくやる気が出なくなります。
ここで重要なのは、そういう仕事には意味がないということではなく、人によっては“自分自身がやることへの”意義ややりがいを見出せないこともあるということです。
他にも「学習欲」「収集心」が上位の私であれば、その業務に就くことで常に新たな情報や知識に触れたり、新しい技術を身に付けられる環境にいると生き生きとする感覚があります。
こういうことを書くと、ストレングスファインダー(R)で適職が見つかるのではないかと考える人が出てくると思います。
たしかに、内的キャリアを明らかにすることで、より望ましい外的キャリア(業種、職種、職業など)が見えてくることはあります。
しかしながら、
「ストレングスファインダー(R)でこういう資質を持っているからこんな仕事が向いている」
と言えるほど単純なことではないと思っています。
なぜならば、同じ職業であっても成果の出し方は人それぞれだからです。
同じ営業職であっても、
人当たりの良さで多くの人と接点を作り売っていく人、
一人ひとりとの信頼関係をベースに売っていく人、
商品に関する深い知識と高い説明能力を駆使して売っていく人、
様々だと思います。
すなわち、「この資質を持っていたらこの仕事が向いている」は、一概には成り立たないのです。
さらに言うと、現実的には自分の内的キャリアを満たすような“職業選択”を自由にできる人は限られると思います。
(これから先はどんどん増えるのだろうとは思いますが)
いずれにしても、多くの人にとって大事なのは、今の仕事の中でいかに自分の内的キャリアを満たしていくかだと思います。
そのためには、上でも書いたように成果の出し方は人それぞれであり、そもそもの自分の才能を活かす方が成果は出しやすいということに気づくことが必要です。
その意味で、今回の研修でも資質のプロファイリングと共にワークを通して、自分の過去の成功体験と自分のネイティブな才能との紐づけをしていただく時間を取りました。
極論すれば、自分の知恵をうまく活かし成果を出す人もいれば、他人の知恵をうまく借りて成果を出す人もいます。
単純に言うと、前者は戦略的思考力+実行力のイメージだし、後者は人間関係構築力+影響力のイメージです。
いずれにしても、自分にとって苦も無く当たり前にできる得意なこと、自分が素直に喜びを感じられることに意識を向け、その動機づけをどう活かし成果につなげていくかを考えるのが大事だと思っています。
- キャリア開発
- リーダーシップ
- コーチング・ファシリテーション
- チームビルディング
- コミュニケーション
ストレングスファインダーで変革を促す~対話と多様性を重視し、個々の強みを活かすことで組織全体の成長をサポート~
前職では半導体製造技術者として勤務しながらコーチングやアサーション研修の社内講師も務める。独立後、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングやリーダーシップ研修を中心に提供。ストレングスファインダーのプロファイリングに定評がある。
知識茂雄(チシキシゲオ) ガイアモーレ株式会社提携講師 株式会社ハート・ラボ・ジャパン
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