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#2 休職を予防する4つのメンタルヘルスケア

そもそも企業が心の健康を保持するために予防策を講じることは法的枠組みで義務化されています。

--------------<労働安全衛生法>---------------------------------------------------------------------------

第 69 条 事業者は、労働者に対する健康教育及び健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるよう努めなければならない。

--------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 労働安全衛生法 69 条に基づき、社員の健康保持増進のために必要かつ有効な施策を進めていく必要があります。メンタルヘルス対策には様々な方法がありますが、まずは厚生労働省の手引きで示されているメンタルヘルスケアを参考にするのが良いでしょう。 ここからは厚生労働省が提示する、メンタルヘルス対策を効果的に進めるための4つのケアを紹介します。

1. まずは4つのメンタルヘルスケアから取り組んでいく

①社員本人によるセルフケア
社員本人がストレスやメンタルヘルスに対して正しい知識をもち、自分自身で対処をすることです。
例)
・ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解
・ストレスチェックなどを活用したストレスへの気づき
・ストレスへの対処

②管理監督者によるラインによるケア
部長・課長等の管理監督者が主体となって実行していく事業所内のケアのことです。
例)
・職場環境等の把握と改善・社員からの相談対応
・職場復帰における支援

③事業場内産業保健スタッフ等によるケア
セルフケア及びラインによるケアが労働者及び管理監督者によって効果的に実施されるために、事業場内産業保健スタッフ等が企業全体に対して支援することです。
例)
・具体的なメンタルヘルスケアの実施に関する企画立案
・個人の健康情報の取扱い
・事業場外資源とのネットワークの形成やその窓口
・職場復帰における支援など

④事業場外資源によるケア
外部の専門機関や専門家を活用したり、支援を受けたりすることです。

例)
・情報提供や助言を受けるなど、サービスの活用
・ネットワークの形成・職場復帰における支援など

 

2. セルフケアとラインケアの位置付けはそれぞれ異なる

①セルフケア
セルフケアの目的は、社員自身がストレスやメンタルヘルスに対して正しい知識を持つことでメンタル不調に気づき、その進行を防ぎ、早期対応ができる状態を作ることです。社員一人一人がセルフケアを実践できるようになるためには教育研修、情報提供を行う等の支援をすることが重要です。セルフケアの重要なポイントの1つは事業者が管理職に対して、セルフケアは管理職の方自身にとっても大切なことであることを伝え、セルフケアの対象として、管理職も含めることです。管理職は、部下の様子に気を配ることに追われ、自分自身のケアを後回しにする傾向があります。しかし、どんな立場であろうとも全社員が自分自身のメンタルの状態を適切に把握し、必要に応じて対応できることが重要です。

②ラインケア
ラインケアの目的は日常的にコミュニケーションしている管理職が部下本人が気づいていない異変を察知し、相談や支援の対応を行うことで早期に必要な対応をすることです。一次予防としてのセルフケアを徹底することは重要ですが、本人が異変に気づかなかったり、メンタル不調の問題を一人で抱えてしまい、一次予防が機能しない場合も考えられます。そのような場合に、指導や管理を行う上司が部下と日々コミュニケーションをとりながら、部下に日常的に声をかけることが重要となってきます。ラインケアでポイントになってくるのは「いつもと違う」を把握することです。職場での部下の言動や様子が「普段と何か違う」という違和感を察知することが重要です。どういった様子に気をつけなければならないのか、具体例を以下に挙げてみます。

普段と違う様子が見られる社員に気づいたら、その社員の話を聴き、専門家につなげる等の行動を起こしましょう。「いつもと違う」社員に気づき、適切に対応することが心の健康問題の早期発見・早期対応につながるのです。

 

※本コラムは、ピースマインドの人事・労務向けコラム『はたらくをよくするお役立ち情報』に掲載している記事を転載したものです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
参考情報
厚生労働省  2020年「労働者の心の健康の保持増進のための指針」

  • モチベーション・組織活性化
  • 安全衛生・メンタルヘルス
  • マネジメント
  • チームビルディング
  • コミュニケーション

100社を超える企業の職場改善を支援。

大手不動産デベロッパーで長年経営企画業務を担当。ヘルスケア事業の立上げに携わったことを契機にメンタルヘルスケア業界に転身。従業員のメンタルヘルスケアや企業の職場改善、医療機関の経営再建に従事した後に、営業部長を経て現職。

吉野 学(ヨシノ マナブ) ピースマインド株式会社

吉野 学
対応エリア 全国
所在地 中央区

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