ハラスメントにならない叱り方は「かきくけこ」を意識する
ハラスメントと言われるから面倒くさい・・・とうまく叱れない管理職が増えています。
大きな声で怒鳴ったりする行き過ぎた業務指導はよくありませんが、間違えたこと、改善すべき点がある部下をそのまま放置するわけにはいきません。
ハラスメントと言われる本当の理由
「相手との心理的距離感が異なっている」
普段からよく会話してるからと信頼関係が築けていると思っている管理職と、そう思っていない部下とのギャップ、この心理的距離感が異なっているところにハラスメントと言われる本当の理由があります。
ハラスメント防止研修では「~してはいけない」「~しない」部分が強調されることが多いため「どうすればいいのか、わからない」「言ってはダメなことばかりで何も言えない」のではないでしょうか。
このコラムでは「こうすればよい」に焦点をあててお伝えしたいと思います。ハラスメントにならない叱り方の「かきくけこ」を意識して部下を注意指導するようにしてください。
か = 改善策を考えさせる
部下がミスをしたとき言い訳から始まっていたら、それは上司に責められたと感じているかもしれません。
「なんでこんなミスしたんだ」
「どうして目標が達成できないんだ?」
という質問は、相手からすると「責められている」と感じる質問です。
主体性のある部下を育てたいのであれば、人と事は分けて、考えさせることが必要です。
「ミスが出た原因はなんだろう?」
「どうして目標が達成できないんだろう?」
「何がもとでうまくいかなかったの?」と人と事をわけて質問をし
「どうやったらうまくいくのか?」と改善策を考えさせる質問をするようにしてください。
き = キャッチボールを意識する
コミュニケーションしているつもりでも、一方通行のドッジボールの会話のなってないでしょうか。部下の会話は「キャッチボール」例えば、こちらがアドバイスしたら「それを聞いてどう思うか?」を相手に聞いてみましょう。もし、部下がいつも「はい。わかりました」しか答えてないのであれば、答えにくい、反論しにくい雰囲気が漂っているのかしれません。相手に納得感のある注意指導を心がけるためにもキャッチボールを意識した会話をするようにしてください。いつもの会話、部下が話すのと上司が話す割合、どちらが多いですか?
く = 具体的行動に焦点をあてる
「どうしたらいいと思う?」と改善策を質問したときに「頑張ります!」というけど、なかなか結果が出ないことってないでしょうか? 上司の頑張ると部下の頑張るが違っていたりすることもあります。人に焦点をあてた会話はハラスメントになりやすいです。
「具体的に何をどうするのか」具体的行動に焦点をあてて会話にするようにしましょう。
け = 傾聴して相手の意見や考えを理解する
相手の話を聞くときに、何か自分が言うことを考えていたり、相手の話を評価、判断しながら聞いてないでしょうか。自分のことに頭がいっていると相手の話を聞けていないことが多いです。
「部下はこのことをどう思っているんだろう」
「本当は何を伝えたいんだろう」
と相手の意見や考えを理解しようとしながら、聴くことを意識するようにしましょう。
こ = 個別に話す
部下指導は個別指導です。一人ひとりスキルや考え方も違います。大勢の前で話すより個別に話すことでお互いの関係性も深まり、人前では言えない意見や考えも聞けると思います。個別に話すようにしましょう。
部下育成のために「かきくけこ」を意識して今日から指導してください。
部下とのコミュニーションに活用していただけると嬉しいです。
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職場コミュニケーションとメンタルヘルスのエキスパート
~心地よい働き方を促進し、職場環境を改善~」
日本アイ・ビー・ エム(株)にて25年勤務後、医療系IT企業でのコールセンター管理職を経て独立。コミュニケーション・ハラスメント・メンタルヘルスに関連した行動変容につながる研修を企業で行っています。楽しくやる気が出る研修はリピート率も高い。
村田 早苗(ムラタ サナエ) ガイアモーレ株式会社提携講師 (株)スマイル・アンド・エール 代表取締役
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